無限の未来 11th season (ページ20)

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520話ページ20

【ジェシー】

もうだいぶ2018年が近づいてきてはいるんだけど、そんなのお構いなしに続く、ほくちゃんからAへのお説教。

この様子だと、きっとAは怒られながら年越すことになるけど、まぁ仕方ない。

残りの5人のメンバーも、苦笑しながら半分は北斗、残りはAについて見守ってる。

黒「最近は、治療で体調も良くない日が続いてるし、ハードな日程こなしてて、自分の体が疲れてるのはわかってるよね？」

「ん…」

黒「確かに、アレルギーですって結果には出てなくても、数値がギリギリだったのも知ってるよね？体調悪い時に食べて、前にしんどくなったのも、忘れたわけじゃないよね？」

「ん…」

自分自身がアレルギー持ちで、実際に一度それで死にかけたこともある北斗だから、ただでさえ苦しい思いをしながら生きているAに、これ以上辛い思いをさせたくないのは伝わってる。

断りきれなかったAの言い分もわからなくはないけど…命に関わることだから、ここは俺たちもグッと堪える立場。

黒「Aの、2018年の目標なんだった？」

「…治療…終わらせる」

黒「うん。そうだね？もうひとつあるよね？」

「お仕事に…全力で…取り組んで、もっと、大きくなる…」

黒「でしょ？もし、死んじゃったら…ここまで治療頑張った意味は？サヨナラした左足が、怒るよ？なんのために…なんのためにっ…“犠牲”にしたの？」

あえて“犠牲”という言葉を選んだ北斗は、苦しそうだった。

苦しそうに、でも心を鬼にして、Aに問いかけていた。

黒「物事の優先順位。一番大事なのは、命。生きてたら、どれだけだって…取り返しがつく。やり直せる」

黒「だから、もっとAは…勇気を持ちな？」

時計を見れば、もう日付は変わっていて、新たな年が始まっていた。

6人の男たちに、ぎゅーっと抱きしめられて、窮屈そうだったけど、俺らに囲まれて笑うAを見て安心した。

2018年こそ、飛躍の年に。

もう、あとはない。