無限の未来 11th season (ページ18)

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518話ページ18

黒「最近、よくアレルギー出ちゃうね」

「かゅぃ…ﾊｧｯ…ﾊｧ…」

青「放すなって。やり直しになるよ？」

前まで使えてた薬なのに、アレルギー反応が出たり、これまで普通に食べられてたモノで、こんな風になってしまったり。

なんか、自分の体が自分じゃない、そんな気さえしてしまう。

まだ、抗がん剤だって半分近く残ってるのに。

それに…

黒「A、寝るならちょっと明かり抑えよっか？」

「だめっ！！！！！」

黒「ちょ、そんな大きい声出さなくても…」

「電気…つけとって……」

黒「…A、A！…大丈夫、ここには、メンバーしかいないから」

「ﾝｯﾊｧｯ…ﾊｧ…ﾊｧｯ…ﾊｧ…ﾊｧｯ…」

青「なーに思い出してんの？無理ない範囲で、教えてくれる…？」

怖い、怖い、怖い…それしか浮かばない。

暗闇が怖い。

空気の冷たさが、音の少ないこの空間が怖い。

条件的刺激、っていうらしい。

「気持ち…悪い…。暗いのと…寒いの、嫌…」

青「いつも、怖かった？」

「ﾝｯ…苦しい、時だけ…」

それだけ伝えると、そっかそっかと言って、躊躇いがちに頭を撫でてくれる樹くんと、眉毛をハの字に落としてこちらを捉えるほっくん。

怖くたって、苦しくたって、刻一刻と本番の時間は近づいてくる。

ステージに立ちたくないわけじゃない。

けど、体がそれを、思う通りに許してくれない。

黒「1曲だけ、頑張ろ。Amazing!!!!!!だけ。絶対、みんなが近くにいるから大丈夫」

青「電気つけとくし、俺らここいるから。もうちょっとだけ寝ちゃいな」

少しだけ楽になった呼吸と、2人が冷やしてくれたおかげで治まってきた痒み。

大丈夫だよって、ずーっと声をかけてくれる2人。

青「A、ネックレス。大丈夫、Aのこと守ってるのは、俺たちだけじゃない」

黒「樹に体預けときな。体は細いけど、誰より頼りになるだろ？」

ほっくんの言う通りだ。

そう思ったら、少しだけ笑えたような気がした。