無限の未来 11th season (ページ2)

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502話ページ2

【ジェシー】

ちょっと疲れちゃった…なんて、幕間で眠りにつくAの姿はすでに見慣れた光景。

そのために、3つある楽屋も、1つは休憩用の部屋として使ってる。

北斗と樹に挟まれて眠るAの表情が柔らかくて、優しい気持ちになる。

緑「Aってこの2人といる時、赤ちゃんみたいじゃない？」

赤「赤ちゃんって」

緑「や、なんていうの？当たり前に甘えてるっていうかさ」

赤「まぁ、一緒にいる時間も長いしねぇ」

俺らにも頼って欲しいって思うことはあるけど、それを強要するのも、なんか違うかなって思ったり。

ちょっと前まで、樹にしか甘えることができなかったり、樹にさえ甘えるのを躊躇うこともあったA。

こうして2人には、必要な時にちゃんと委ねられるようになったことだけでも、俺は安心してる。

「じゅ…ぃ…く…ほ、く…ぅ」

赤緑「「ふはっ！」」

赤「え？3人とも寝てるよね？」

緑「家でもこんななの？」

黄「あー、Aがソファで寝ちゃってる時はそんな感じ」

Aが寝言で2人の名前を呟いたかと思えば、2人がその手をギュッと握って、へにゃっとした顔のAが、コテンと寝返りを打った。

とても舞台で見せる顔とは程遠くて、これまで何度も俺の死を見送ったやつと同一人物には思えない。

桃「あと20公演。2/3が終わったんだもんな」

赤「俺ら、進めてるよね？」

緑「うん。大丈夫」

「んぁれ？2人も寝とぉね…」

赤「腕から抜け出すの慣れすぎでしょ」

ケータリング行こう～って、とことんまでマイペースなAに呆れていても、一緒に行っちゃう俺と慎太郎。

抗がん剤の影響で、一日中ダルい日だって、ないわけじゃないと思うんだけど、最近のAは、向上心も強くていい傾向。

なにかの拍子にグッと落ち込むこともあるけど、それはそれで“今、心、しんどい”なんて風に、不器用ながらも言えるようになったって。

もう、前に進むしかない俺たちに、必死でついてきてくれるAを、絶対に離したくない。