444話 ページ44
【慎太郎】
青「わかんねーや、俺」
緑「んー？」
青「積み上げて積み上げて、壊れて。また積み上げてきたのに、また…。でも、俺の信じるものは変えたくねぇし」
あの時やめてたら、何か違ったかなっていう樹は、いつものオラオラした田中樹ではなかった。
樹のいう“あの時”は、まだ俺たちもグループではなかった。
Aもまだ闘病中で、左足だってまだ失ったばかりだったから、まさかその数年後、こんな未来が待ってるなんて夢にも思わなかった。
緑「グループができる前なら、ダメージは樹だけで済んだしね」
青「人から言われると…キツイな」
緑「でも…事実じゃん」
青「お前…当たり強ぇ」
イメージっていうのは怖いもんで、自分でコントロールできる範囲はかなり限られてる。
その上、一度ついてしまったイメージを覆すのは、本当に難しい。
俺だって、樹と同じようにその経験をしたからこそ、わかる樹の想いがある。
だからこそ言える、言葉がある。
それは…お嬢も同じなのかもしれない。
緑「あの時なら、樹一人で済んだのかもしれないし、静かに消えられたかもしれない。でも、ここまで続けてたから、樹は一人で抱え込まなくていいんだよ」
緑「樹、お嬢に何かあった時いつも、背負う覚悟はできてるって言ってるじゃん。俺らだって、同じだよ？大丈夫。俺ら、もう樹のいないSixTONESなんて、考えらんないから」
青「慎太郎…」
ありがとなって、ギリギリすぐそばにいる俺に届く声でボソッと呟いた樹に、一本ちょうだい？って冗談ぽく言えば、お前はやめとけってやんわり断られた。
樹も、まだほとんど1本分残っているタバコの火を消して、喫煙所を後にした。
喫煙所のテーブルには、まだ2本しか吸ってないタバコの箱が、置いたままだった。
緑「届けなくて、いっか」
俺もその箱を、樹に届けることはしなかった。
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かん。(プロフ) - 美紀さん» ありがとうございます！ (2020年11月10日 20時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスに気をつけてくださいね (2020年11月10日 18時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2020年11月9日 16時
