415話 ページ15
【ジェシー】
「あぁ〜、楽しかったぁー！」
赤「ふふっ。…ん、お疲れ様。よく限界まで頑張ったね」
「…限界、ちょっと足りひんかったけどな」
赤「また、絶対リベンジしよ…ね」
「でも、ちゃんと楽しかった」
完全ではない状態Aは、目一杯に調整をして、ギリギリまで頑張っては見たけど、予定していた全てに出ることはできなかった。
いつかもあったのと同じで、アンコールまではどうしても無理で。
今も満足そうにしてはいるけど、本番前に飲んだ薬が切れてしまったのか発熱してるし、足も痛めてる。
本当に、ギリギリで踏ん張っていたんだと思う。
風磨「アンコール見ながらビービー泣いてたのはどこのどいつだよ」
「ビービーは、泣いてない」
赤「樹が…心配してた。ちゃんと、顔見せてあげてね」
過保護だなぁなんて呟いてるAだけど、樹の気持ちがわかる俺には、それ以上なにも言えない。
二言目には、“A”の樹。
アンコールの間、1人浮かない顔をしていたのは、間違いなくAを思ってのことだと思う。
「ねぇ、ジェシー？」
赤「急にそんな呼び方されたら、ビックリする」
「聞いて、欲しいこと…ある」
赤「…なに？」
「あのさ…。私…6人が好き。6人とも、好き。すっごく、好き…」
赤「…そ」
2人きりになった部屋で、ソファに寝転ぶA。
泣いているのを見られたくないのか、顔を腕で覆い、そんなことを言うAは、きっと俺たち6人の色んな感情に気付いてるんだって、このとき思った。
まだ小さかったあの頃から、時々こんな風になんとも言えない感情を押し殺すみたいな姿は、よく見てきた。
いろんな気持ちを察しては、必死に飲み込んできたはずのA。
もちろん、今だって…あいつの気持ちにも気づいてはいるんだと思う。
赤「Aは…今のままでいいと思うよ」
「優劣なんてないけど…でもやっぱり…」
赤「Aっ！その先は、言わないで…？きっといつか、ちゃんと言える時が来ると思うから。…ここには、俺しかいないよ。隣は両方空き部屋。まだみんなしばらくは帰ってこないと思う」
それだけ伝えると、Aはわーっと泣き出した。
ソファに置いてあったクッションに顔を埋めて泣くAは、ステージで見た彼女より、小さく、小さく見えた。
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かん。(プロフ) - 美紀さん» ありがとうございます！ (2020年11月10日 20時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスに気をつけてくださいね (2020年11月10日 18時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2020年11月9日 16時
