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【北斗】
学校にいるときから、嫌な咳が続いていた。
念のため病院の予約を取って学校帰りに一人で寄れば、また一人で来たの？って苦笑いの宮舘先生と佐久間くん。
佐久間「熱はないね〜。最近寝れてる？」
黒「ん。大丈夫だから…薬だけ」
宮舘「診察が先。もう…」
思うようにならない体がもどかしくて、素直に周りを頼れない自分が嫌で、心配してくれる大人を鬱陶しいとさえ思って反抗している自分にさえ腹が立つ。
全部が全部、悪循環だった。
宮舘「はい、いいよ。風邪だね。まだそんなに酷くなってないし、ちゃんと薬飲んで無理せず休むこと」
黒「はいはい…」
宮舘「それと！…いざとなったら、ちゃんと大人を頼ること。お父さんでも…俺でも、佐久間でもいいから」
黒「…わかってるから」
帰りのバスは、なんとなく心が重たく感じた。
家に着く少し前に手元で震えた携帯に目をやれば、過保護な主治医からダメ押しのメッセージ。
なんだか全てが億劫で、普段は帰宅してどんなに小さな声でただいまと呟いても気づいてパタパタ駆けてくるAにも気づかれないよう、静かに帰宅してそのまま自室へ向かった。
黒「ｯﾊｧ〜…」
ふと気を抜けば波が押し寄せてきそうで、自室にいたところで気は休まらなかった。
そんな自分の体から目を背けるように、机に向かいテキストを開いて目の前の文字に没頭する。
どれくらい経ったかは分からないけど、気づいたら机に突っ伏したまま眠っていて、肩には温かいブランケット。
“ちゃんと食え”
乱雑な字でそう書かれた広告の裏紙と、不恰好なおにぎりが2つ。
ひとつはちょっと小さいサイズ。
こっちはきっと、Aが作ってくれたんだろうな。
分かってる。
父さんの優しさも、Aのあったかさも、全部全部伝わってる。
でもいざそれに直接触れようとすると、なんだか甘えているようで、そんな自分にイライラする。
なんとなく、ダサいような感じがしてしまって。
俺の性格上、声を荒げて反抗するようなことはできないけど、それでもこうして家族を避けているのが一種の反抗なんだろう。
そんな冷静な自己分析をしているようで、込み上げてくる咳を必死に抑えては布団に潜って気づかれないよう努めるあたり、俺は冷静ではなかったのかもしれない。
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しずか(プロフ) - お話書いていただいて、ありがとうございました！かん。さんのお話は、いつも本人の心情や周りの愛情こもった気持ちがとても素敵に書かれているなと思います。これからもお話の更新を楽しみにしています！ (2022年4月25日 22時) (
レス) id: 2e5c54c5f4 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - しずかさん» リクエスト、ありがとうございました！なかなか構想がまとまらず、お待たせしてしまってすみません。。。続編にてお話を上げさせていただいてます！リクエストに添えていれば嬉しいです♪これからもどうぞよろしくお願いいたします！ (2022年4月25日 20時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ぷりんさん» リクエストいただきありがとうございました！時間がかかってしまいすみません(T ^ T)続編にて書かせていただきましたので、楽しんでいただければ幸いです！ (2022年4月16日 12時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ﾎﾟﾎﾟﾝさん» たくさんコメント書いていただきありがとうございます！(；ω；)とても嬉しかったです！また、しれっと公表した2つのお話のつながり、察知して気づいていただけて、ちょっぴりニヤニヤしてしまいました笑 これからも楽しんでいただける作品が提供できるよう頑張ります！ (2022年4月7日 23時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
ﾎﾟﾎﾟﾝ(プロフ) - 長文にて失礼いたしました。これからも楽しみにしています😊 (2022年4月7日 14時) (レス) id: dde2180564 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2022年1月23日 21時
