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【北斗】
青「目黒！」
目黒「あ、樹さん…北斗くん…」
黒「A…泣いてる？」
ただ静かに頷く目黒。
夕方近く、父さんとこに掛かってきた目黒からの鬼電を受けて宮舘先生のクリニックへ急げば、壁を向くA。
映画見に行くんだって楽しそうにしてたんだろう妹の姿が目に浮かんで、なんだかやるせなかった。
目黒「すいません、俺が不安で…」
青「どんな？」
渡辺「一時的なものだけど、来てくれて正解。ありがと」
目黒「いえ…」
ちょっといいですか…？って、ぎこちない笑顔を貼り付けた目黒に呼ばれて自販機のあるフリースペースへ行けば、ふーっと大きく息を吐く目黒。
何か言いたそうにしては、ためらって。
頭に渦巻く言葉から、どれを取り出そうかと悩んでいるようだった。
目黒「最近、調子良くて。…いや、そんなこと、俺より北斗くんの方が分かってると思いますけど」
黒「ううん、目黒だって…よく分かってくれてる」
目黒「…A、“こんな体、やだ”って。俺…なんで声かけてあげていいか、わかんなくて」
珍しく、目黒が少し泣きそうになっていた。
それだけこの急な体調の崩れは、Aだけじゃなく、目黒にとっても少しダメージの大きい出来事だったのかもしれない。
こんなこと今まで何度だってあったけど、だからっていつでもすんなり受け入れられるはずがないし、受け入れられると思ったらダメだよな…。
黒「やだよなぁ…うん、やだと思う。でも、どうしようもないんだよ、本人も…」
目黒「…っ」
黒「でもさ…。うん、これは…俺の場合だから、Aがどう捉えてるか、どんな考えを持ってるかはわからない。けど…俺は、側にいて…受け止めてもらうだけでも、だいぶ楽」
黒「何度病気に裏切られても、邪魔されて悔しい思いしても…離れずに、またもう一度、一緒に受け止めてくれる人がいるだけで…心強い、かな」
自分でも、何が言いたいのか全然わかんなくて、それでも言葉だけは次々と溢れてきた。
少しでも、彼女の気持ちを“当事者”として分かってやれる人間として、これから先、妹が共に歩もうとしている目の前の男に伝えたかった。
“それでもやっぱ、こんな体、は…聞く身としては、苦しい言葉だね”
目黒の口から小さく“苦しい…”って、一言だけ溢れた。
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しずか(プロフ) - お話書いていただいて、ありがとうございました！かん。さんのお話は、いつも本人の心情や周りの愛情こもった気持ちがとても素敵に書かれているなと思います。これからもお話の更新を楽しみにしています！ (2022年4月25日 22時) (
レス) id: 2e5c54c5f4 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - しずかさん» リクエスト、ありがとうございました！なかなか構想がまとまらず、お待たせしてしまってすみません。。。続編にてお話を上げさせていただいてます！リクエストに添えていれば嬉しいです♪これからもどうぞよろしくお願いいたします！ (2022年4月25日 20時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ぷりんさん» リクエストいただきありがとうございました！時間がかかってしまいすみません(T ^ T)続編にて書かせていただきましたので、楽しんでいただければ幸いです！ (2022年4月16日 12時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ﾎﾟﾎﾟﾝさん» たくさんコメント書いていただきありがとうございます！(；ω；)とても嬉しかったです！また、しれっと公表した2つのお話のつながり、察知して気づいていただけて、ちょっぴりニヤニヤしてしまいました笑 これからも楽しんでいただける作品が提供できるよう頑張ります！ (2022年4月7日 23時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
ﾎﾟﾎﾟﾝ(プロフ) - 長文にて失礼いたしました。これからも楽しみにしています😊 (2022年4月7日 14時) (レス) id: dde2180564 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2022年1月23日 21時
