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【樹】
制服姿で帰ってきた北斗の顔色が、あまり良くないように感じた。
でも昨日のことがあってか、朝も一言も言葉を交わすことなく家を出てしまった北斗と俺との間には何とも微妙な空気が流れていた。
まぁ無茶なことはしないだろう、なんて思い、そのままスルーをしたことを後悔するのは、この少し後だった。
「パパぁ…っ」
青「っと！どした、どした」
「にぃにぃ…っ」
突然走って俺の胸に飛び込んでくるAに驚きながらも何とか受け止めれば、今度は焦りながらぐいぐい俺の腕を引いてくる。
あまりのAの涙で歪んだ表情と“にぃに”という言葉に浮かぶのはさっきの北斗のこと。
Aに引っ張られて北斗の部屋へ行けば、お腹を抱えてベッドで丸くなる息子。
青「北斗っ！」
黒「っ…Aっ、いいって…言ったろ…っ」
青「バカ！何言ってんだよ、そんな…っ」
黒「ﾊｧｯ…ﾊｧｯ……」
冷や汗をかいてお腹を抑える北斗の顔面は真っ青で、苦しそうにうんうん唸っていた。
そんな苦しそうな北斗を目の前にして、Aもずっと泣いていてどうしようもない。
青「A、優吾呼んできてくれる？にぃに、病院って伝えて？できる？」
俺のお願いに、溢れる涙をゴシゴシ拭って強く頷いたAは、パタパタと優吾がくつろいでいるであろう部屋に飛び込んでいった。
幸い、北斗はお腹を抱えてしんどそうではあるけど、俺の言葉には違和感なく反応ができていた。
救急車を呼ぶほどではないのかもしれないと思い、駆けつけてくれた兄貴が呼ぶ声に振り向けば、Aの言葉で大体を理解し、すでに病院へ行く準備はしてくれていた。
黄「車、表に回してあるから。すぐ行け」
青「あっ、A…」
黄「Aは任せて。状況わかったら連絡ちょうだい。行けそうなら後からAも連れて行く」
今は北斗のことに全振りしろなんて声をかけてくれる兄貴にAを任せて病院へ急げば、北斗の様子を見てすぐに処置室へ案内をしてくれる看護師さん。
連絡を受けて駆けつけてくれたのは、救急でお世話になりっぱなしの藤ヶ谷先生だった。
藤ヶ谷「検査しないと確定はできないけど、おそらくこの感じは虫垂炎…盲腸だね」
その言葉に、“オペ”って言葉がすぐに頭に浮かんで、急に怖くなった。
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しずか(プロフ) - お話書いていただいて、ありがとうございました！かん。さんのお話は、いつも本人の心情や周りの愛情こもった気持ちがとても素敵に書かれているなと思います。これからもお話の更新を楽しみにしています！ (2022年4月25日 22時) (
レス) id: 2e5c54c5f4 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - しずかさん» リクエスト、ありがとうございました！なかなか構想がまとまらず、お待たせしてしまってすみません。。。続編にてお話を上げさせていただいてます！リクエストに添えていれば嬉しいです♪これからもどうぞよろしくお願いいたします！ (2022年4月25日 20時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ぷりんさん» リクエストいただきありがとうございました！時間がかかってしまいすみません(T ^ T)続編にて書かせていただきましたので、楽しんでいただければ幸いです！ (2022年4月16日 12時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ﾎﾟﾎﾟﾝさん» たくさんコメント書いていただきありがとうございます！(；ω；)とても嬉しかったです！また、しれっと公表した2つのお話のつながり、察知して気づいていただけて、ちょっぴりニヤニヤしてしまいました笑 これからも楽しんでいただける作品が提供できるよう頑張ります！ (2022年4月7日 23時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
ﾎﾟﾎﾟﾝ(プロフ) - 長文にて失礼いたしました。これからも楽しみにしています😊 (2022年4月7日 14時) (レス) id: dde2180564 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2022年1月23日 21時
