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【樹】
珍しく兄貴がすげぇ早く帰ってきたと思ったら、怪我をしたAと一緒で。
さすがに愛おしい娘が怪我して学校から帰ってきたなんてなったら、放っておけるわけがないのが親心。
今すぐにでも学校に乗り込んでやりたい気持ちでいっぱいになったのが兄貴にも伝わったのか、無言で首を横に振られた。
黄「そうなることが分かったから、俺んとこに帰ってきたんだと思うよ」
青「…っ」
黄「A、お部屋行ってな？」
悔しそうな、悲しそうな、今にも泣きそうな顔で俺の方を見てその顔がぐしゃっと崩れてしまう前に、Aはなにも言わず、自分の部屋へ足を向けた。
苦笑いの兄貴に止められて、娘を追うこともできず。
とりあえず、学校には行くなよ？って優吾に釘を刺されているところへ丁度良くやってきたのは、俺が話を聞きたかった奴の一人。
緑「すみませんでした…。大事な娘さんを、守りきれなくて」
青「…んな言葉だけで分かるかよ」
黄「樹！」
中身がわからずにカッカしてる俺を諭すような、制すような、威嚇するような優吾の声にちょっとだけビビる。
あれが一方的にされた傷だってことくらい、俺だって喧嘩したことないわけじゃないからすぐに分かったし、慎太郎だって、俺がそれを分かった上で怒ってるって事も分かってるはずだ。
ひたすら平謝る慎太郎に少しだけ冷静になった。
確かに学校で怪我をして…いや、怪我を負わされて帰ってきたAだけど、もちろん慎太郎が手を出したわけじゃないのは当然のこと。
青「全部じゃなくていい…何があったのか、知りたい」
それとなく、Aがああなった理由を察してしまうが故にやり場のない悔しさ。
せめてその悔しさを込めたこの拳だけは…そのままにさせて欲しかった。
黄「まず…Aは、手出してないらしい。あの怪我の仕方見たら、お前は分かるだろうけど」
緑「俺が教室に行ったときには…もう、事が起きた後だった。あいつ…大好きな友達のこと、庇ったみたいで」
慎太郎から、優吾から聞かされるその話は、もう何年も前の出来事にそっくりだった。
あの時のことも知ってる2人もまた、苦しそうに涙を流していた。
なぁ…あの娘の悔しさが手に取るように分かるお前だったら、こんな時どうすんの…？
教えてよ、ちぃ…。
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しずか(プロフ) - お話書いていただいて、ありがとうございました！かん。さんのお話は、いつも本人の心情や周りの愛情こもった気持ちがとても素敵に書かれているなと思います。これからもお話の更新を楽しみにしています！ (2022年4月25日 22時) (
レス) id: 2e5c54c5f4 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - しずかさん» リクエスト、ありがとうございました！なかなか構想がまとまらず、お待たせしてしまってすみません。。。続編にてお話を上げさせていただいてます！リクエストに添えていれば嬉しいです♪これからもどうぞよろしくお願いいたします！ (2022年4月25日 20時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ぷりんさん» リクエストいただきありがとうございました！時間がかかってしまいすみません(T ^ T)続編にて書かせていただきましたので、楽しんでいただければ幸いです！ (2022年4月16日 12時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ﾎﾟﾎﾟﾝさん» たくさんコメント書いていただきありがとうございます！(；ω；)とても嬉しかったです！また、しれっと公表した2つのお話のつながり、察知して気づいていただけて、ちょっぴりニヤニヤしてしまいました笑 これからも楽しんでいただける作品が提供できるよう頑張ります！ (2022年4月7日 23時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
ﾎﾟﾎﾟﾝ(プロフ) - 長文にて失礼いたしました。これからも楽しみにしています😊 (2022年4月7日 14時) (レス) id: dde2180564 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2022年1月23日 21時
