ほっくんの入院 ページ1
【樹】
“前倒しで手術しないと、北斗の体がついていけないかも…”
青「はぁ…」
元々北斗の心臓の手術は、体の成長を待って、小学校6年生の夏休みを利用することで予定していた。
でも5年生に上がる春休み、ここ数ヶ月の定期検診で、少しずつ少しずつ引っかかっていた不調が、ついに目を背けられなくなってしまったらしい。
そこで担当の宮舘先生から提案されたのが、手術の前倒し。
黄「ただいま〜…？子どもたちは？」
青「おかえり。Aは師匠と風呂。北斗は、早いけどもう寝かせた」
黄「なに、あいつ体調悪いの？今日検診だったんじゃないの？」
青「いや…そうなんだけど…」
仕事から帰ってきて、いつものように冷蔵庫からビールを取り出す兄貴に、今日の検診で先生から言われたことを話せば、グラスに伸びる手を止めて真剣に耳を傾けてくれる。
難しい話に、いつもの弾けるような笑顔は消えて、眉間に皺を寄せて考え込んでいる兄貴は、自分の子どものように、うちの子たちを想ってくれていた。
兄貴が一緒に住むようになって、もうすぐ1年が経とうとしていた。
青「医療費が…とかは全然いいんだ。元々予定してたことだし、1年前倒しになったって、全然」
黄「ネックは、A？」
青「うん…。来年はAも小学校にあがるし、同じ動きができるんだけど…北斗が入院して、A保育園で…ってなると、現実的じゃなくてさ」
黄「んー…確かに…」
数日程度、数回程度なら兄貴を頼ってお願いすることもできるけど、今回は、手術やリハビリ、フォローの治療も含めてどうしても長期の入院になる。
退院してからも、頻繁に通院が必要になるみたいだから、なかなか現実的に難しい状況。
かといって、北斗の心臓のことを考えれば、もちろん先生の言う通りに従うのが一番いいに決まっている。
青「Aの1型も、まだフォローいるしさ…かといって、北斗を病院に1人は、さすがに無理だろ？」
黄「そっちのが厳しいなぁ。北斗、環境変わるの苦手だしなぁ…」
こんなこと話してたら、遠回しに兄貴にになんとか助けてくれって頼んでいるみたいだけど…。
裸ん坊で風呂場から逃げてきたAを抱き止め、どの決断をするのが正しいのか分からず、腕の中の小さな温もりを感じながら、悶々としていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 593人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かん。(プロフ) - ﾎﾟﾎﾟﾝさん» なかなかお話が纏まらず、大変お待たせしてしまい申し訳ありません。リクエストいただき、ありがとうございます！ようやくお話の構想がまとまり、続編にて一気に公開してしまいました。お楽しみいただければ幸いです！今後ともよろしくお願いします！ (2022年2月27日 18時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - まやさん» お待たせしてしまい、申し訳ありません。リクエストいただきありがとうございました！少しほっくんの体調不良シーンが少なくなってしまった気が…楽しんでいただければ嬉しいです(;_;)これからも楽しんでいただけるよう、がんばります！ (2022年2月23日 18時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - jさん» リクエストいただきありがとうございました！大変お待たせしてしまい申し訳ありません！続編にて書かせていただきましたので、楽しんでいただければ幸いです(*ˊᵕˋ*)今後ともよろしくお願いします！ (2022年2月11日 15時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈 - リクエスト書いて頂いてありがとうございます (2022年1月11日 7時) (レス) id: f264ee5bd6 (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈 - かん。さん» いえいえ、書いて頂けただけで嬉しいです！いつもたくさんのリクエストに答えていただいてありがとうございます！これからも頑張ってください！ (2021年12月27日 14時) (レス) id: f264ee5bd6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かん。
| 作成日時：2021年11月25日 12時
