350話 ページ50
【慎太郎】
「慎、ごめん。さっきのとこやけど…多分この辺りの方がいい。あと、やっぱり稽古の前に言ってた通りかも。この辺りだけ、動きがちょっと硬いかな」
緑「あぁ〜、やっぱ？」
「しなやかなダンスは、さっくんが得意やで」
緑「おっけ、聞いてみるわ。さんきゅ」
俺の稽古前に話してたのを受けて、その部分をしっかりと見てのアドバイスを考えてくれて、それだけ言うと、またジャニーさんのところへ戻っていくA。
舞台の裏、演出、SHOW TIMEのレッスン…。
物語の中ではナレーターとしての出演しかないけど、この舞台期間中、なんだかんだでAは俺たちよりもハードな気がする…。
演者として出ていた去年よりも、明らかにそこらじゅうを行ったり来たりしていて、正直今年の方が忙しそうには見える。
赤「慎太郎？」
緑「Aさ…最近、ダンスの時以外、ずっと義足外してるよね」
青「あぁ、あれか。またちょっと、幻肢痛続いててさ…。意識的に、自分の頭に視覚で捉えさせてんだよ。どこまで意味があるのか…わかんないけど」
緑「そう、なんだ…」
青「あっ…このこと、聞かなかったことにしてやって。あいつ、幻肢痛出てんのとか、本当はみんなに知られたくないと思うから…」
緑「…ん、わかった」
そんな素振りを見せることなく、なんでもこなしていたけど、やっぱり幻肢痛が出ているっていうことは、それだけ体にも心にも負担がかかっているってこと。
これまでの俺だったら、なんでそこまでして？と、とにかく休んで欲しいと、そんなことを考えてたと思う。
でも今は、何のためにAがそこまで必死になるのかがわかるから、その分、俺も負けないくらいがんばろうって思える。
「慎、ちょっと手伝って〜」
緑「おん、今行くー！」
Aに呼ばれて駆けつければ、いつもの光景といえば いつもの光景なんだけど、廊下にJr.たちの荷物が散乱していて、クラッチでは歩行の妨げになる。
こうやって、俺たちが今まで当たり前だと思っていたことも、Aがこれからも俺らと進んでいくのであれば、ちゃんと理解したい。
「助かった、さんきゅ」
緑「んーん、全然。いつでも言ってよ。俺、慎ちゃんマンなんでしょ？」
「いつの話してんのよ」
あの頃と同じ笑顔でAが笑うから。
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かん。(プロフ) - 美紀さん» 美紀さん、いつもありがとうございます！これからも末長く、この小説をよろしくお願いいたします(^^) (2020年10月8日 21時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスに気をつけてくださいね (2020年10月8日 18時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2020年10月5日 18時
