348話 ページ48
【北斗】
「ほっくん、今日…」
黒「いいよ、こっちの部屋で寝な」
「ありがと…ｯﾊｧ〜」
黒「…だいぶしんどそうだね。一回指借りるよ〜。んー…90かぁ。どうする？酸素いる？」
「いらない…」
投薬の治療とリハビリが一緒になる日は、体力を消耗しているせいなのか、それとも薬の影響なのか…はたまた両方か。
詳しい原因はわからないけど、酸素が下がってしまうことの多いA。
今日もそうみたいで、こうなると怖いのは夜。
寝ている間に苦しくなってしまうことが、一番避けたいことで、本人もそれが心配なのか、そういう日は一人で寝ることを嫌がるのが増えた。
とりあえず今は酸素吸わなくてもいいって言ってるけど…樹に準備だけしておいてもらうか。
夜は多分、酸素吸わないと眠れないだろうし。
黒「まだ苦しい？」
「んーん。ｯへーき…ﾊｧ〜」
黒「いや、俺には平気そうに見えないけど…。え、薬も入れてる日っていつもこんな感じなの？」
「ん、まぁ…ｯﾊｧ…。こないだも、なんとなく…っ、ﾊｧｯ」
黒「苦しかった？…そっか、そっか」
最近は樹がずっと家にいたから、任せっきりにしてたしなぁなんて思いながら、隣に座ったAの背中をさする。
やっぱり酸素必要ないっていう割にはしきりに肩が上下してるし、相当しんどそうではあるけど…できれば、Aが大丈夫って言ってるうちは、それを信じてやりたい気持ちもあるし…難しいところ。
人より小さい肺で、男の俺たちと同じだけの運動量。
そりゃ疲れるに決まってるんだけど、本人はなんてことなくこなしていくんだから、ほんと脱帽でしかない。
「今日やった…リハビリ、ﾊｧﾊｧ…」
黒「ん？」
「みんなで…ﾊｧｯ、できるやつ…教えて、くれたか…ら、ﾊｧﾊｧ…また、やろ…？」
黒「ん、やろっかね。ところでさ、お嬢さん。ちょっとお喋りストップ。ほら、90切っちゃってるよ。あとで落ち着いたら外していいし、一回酸素吸おっか…よいしょ。…はい」
「んっ…」
お喋りストップって言ってんのに、酸素つけてちょっと楽になったら、すぐに“ねぇねぇ、ほっくん”って話しかけてくるA。
こういうとこ、昔から本当に変わらないよなぁって思う。
結局、酸素入れてる途中で、帰ってきた樹に軽く怒られてたけど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 205人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かん。(プロフ) - 美紀さん» 美紀さん、いつもありがとうございます！これからも末長く、この小説をよろしくお願いいたします(^^) (2020年10月8日 21時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスに気をつけてくださいね (2020年10月8日 18時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かん。
| 作成日時：2020年10月5日 18時
