302話 ページ2
【慎太郎】
Aの話していることは、正直俺にとってものすごく難しいことで、たぶん頑張ったところで、まだ高校生の俺が理解するなんて、到底無理なことなんだと思う。
でも、絶対にちゃんと知りたい、理解したいと思うのは、やっぱりAも含めたこの7人でのグループが大好きだったから。
この7人が一欠けでもするなら、もう終わりなんだと…本気でそう思っていたから。
緑「俺…難しいことはよくわかんないけどさ。シンプルに今、Aは何が一番しんどいの？」
「んー。やっぱり呼吸は、苦しいな…。あとは、脳が厄介で…小脳っていう、体のバランスを取る部分と、側頭葉っていう、音やったり、見たもののイメージを認識する部分の間に大きい腫瘍があるんよ」
赤「じゃぁ、ダンス…とか、大変なんじゃないの？」
「そう、だね…。最近、音の聞き分けがしにくくて…。特に収録とかで、音が混ざり合うのが…しんどいかな。だからって、全くダメってわけではないけど」
Aがすごく言いにくそうに絞り出した、手術に踏み切るリスク。
この腫瘍を取り除く手術を受けることで、よくなるかもしれなければ、もしかすると、悪化をする可能性もあるらしい。
そんなに危険な手術でも…。
赤「…たくさん、考えた結果なんだよね？」
「…ん」
赤「それでも、Aは手術を受けるって気持ちは、変わらないんだよね？手術を受けて…もし、万が一…また辛い思いをするとしても」
「…うん、受けるよ。私は、デビューを叶える。絶対に。7人で、デビューすんの。そのためには、生きとらなあかんねん。やから…一緒に、旅をしてほしい…です…」
迷いは、ない。
緑「話してくれて、ありがと。…がんばろう」
青「大丈夫。なんとかなる」
桃「困ったら、いつでも頼って」
手術までは、とりあえずこれ以上仕事を増やすことはせずに、今ある仕事だけを続けること。
術後は様子を見て、休止はせず、個人仕事の制限だけをかけていくこと。
そして…。
「どんなにしんどくても、コンサートには出る」
それだけは、Aのプライドだからって、彼女は強く俺らを見つめる。
だから、目先の俺らの目標は、5月のコンサートに決まった。
「みんなとわから、私も信じて治療を受ける」
その言葉は、何よりも嬉しかった。
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かん。(プロフ) - 美紀さん» 美紀さん、いつもありがとうございます！これからも末長く、この小説をよろしくお願いいたします(^^) (2020年10月8日 21時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスに気をつけてくださいね (2020年10月8日 18時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2020年10月5日 18時
