無限の未来 5th season (ページ7)

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207話ページ7

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「え？入院？…今すぐ？…って」

Dr.「あぁ、ごめん、ごめん。結果がどう…ではない、ってわけじゃないけど。病気が悪くなってるから、とかではないんだ。それと、期間も2週間くらいだから…。普段とはちょっと違うからね？大会には、絶対間に合うから」

「…はぁ」

1ヶ月ごとだった検診が2ヶ月に伸びて、割と順調に回復をしているようだったのに、2ヶ月に伸びたそのはじめての検診で捕まった。

体に何か影響が出ているわけじゃないから、言われたところで自分でもわからないことだけど、どうやら免疫がかなり落ちているらしい。

だから、その落ちてしまった部分を危険な数値からは脱するまで、しばらく入院して体を守りながら、薬の力を借りながら、元に戻していくらしい。

確かに免疫が下がっていると言われれば、4月、5月と風邪のような症状がよくあったことも、それなら少しは納得がいく気がした。

「わかった…がんばる」

Dr.「うん。早く治そうな」

“入院できるかな？”と言われた時、自分でも思いの外落ち着いていて、いつも通院に付き合ってくれる勇人兄ちゃんにも、“ちょっとだけ入院やって～”なんてケロッと伝えていた。

自分でもわかってる。

しばらく入院をしてほしいと言われた時、真っ先に浮かんだのは、部活のこと。

これまでなら絶対に嫌だと思ったんだろうけど、これでしばらく益田さんと離れられるんだって…そんな、安心があったんだ。

寮に帰っても、努めて明るく、冷静な振りをして入院のことを伝える。

でも、ずっと一緒にいるみんなには隠せなかった。

「また入院になってまった…！」

佐野「ふーん。ま、ゆっくりしてこいよ〜」

敵わないなぁ…なんて思いながらも、やっぱりちょっとだけ、気が引けた。

それは、益田さんの視線を感じていたから。

そんな視線に気づかないフリをして、部屋に戻って、入院セットを取り出した。

そこに、作りかけのお守りたちを詰め込む。

何があってもいいように…と、来年より少し早めに作り始めたお守り。

体調の悪い日には作れなくて、あんなに早く作り始めたのに、まだ全然完成しない。

いろんな事が悔しくて、何より、入院する事で“ここから逃げられる”と思ってしまった自分が1番悔しくて。

誰にも聞こえないように声を殺して泣いた。