無限の未来 5th season (ページ50)

今日:13 hit、昨日:12 hit、合計:151,154 hit

250話ページ50

.

たった3分。

時間にしたら、そんな短い時間。

でも、曲が始まった時の緊張感や、7人でライトを浴びた時の、ファンのみんなからの大歓声…。

ただ夢中で踊って、歌っていた。

足のことを気にせず、ただ、隣にいる6人と楽しむことだけを考えて、ここまで夢中で踊りきったのなんて、久々だった。

憧れだったカラー別の衣装を見に纏って、メンバーカラーなんてあるわけじゃないけど、それでも、憧れや、楽しさや…その場の感情が、どこまでも働いた。

自分でも、ゾクゾクした。

フリーで、ガンガンにメンバーに感情をぶつけにいく樹くんと、それに答えるメンバーたち。

もちろん、私も。

夢のようで、まだ小さかった頃に、バックで…客席で…憧れの眼差しを向けていたそれが、大好きな仲間たちと、一緒にステージで披露できているこの時間が…愛おしくて、仕方なかった。

そして、夢のような3分間は、終わった。

あっという間だった。

最後だけ少しふらついたけど、スッと体を入れて支えてくれたほっくんのお陰で、ライトが消えるまでやり切ることができて…“ジャニーズ”の坂本Aでいられた。

袖に捌けるのは、たぶん必死で…自力で捌けることができたのかも定かではないけど…きっと。

赤「おいで、A！」

「…ジェスぅっ！」

赤「ハハッ！すっげぇよ、A！最後まで、やり切ったよ、大丈夫。ちゃんと、できたよ」

裏に帰ってしばらく、ようやく余裕が出てきて周りを見れば、泣いているのは私だけじゃなくて。

大好きな6人も、顔ぐっちゃぐちゃにして…笑いながら、泣いていた。

私は、大きな体で抱き寄せてくれたジェスの胸で、大泣きした。

自分でもびっくりするくらい、ワンワン泣いた。

あの日、甲子園で泣いた時と同じように。

今日が、最後だと…たった一曲なんだと、そんな夢の時間だったから。

青「A、おかえり」

樹くんの言葉を皮切りに、裏にいたJr.のみんなが私の元へ来ては、口々に“おかえり”と声をかけてくれる。

ようやく、ここに戻ってこれたんだって、そう思ったら涙は止まらなかった。

照史「よぉ…帰ってきたなぁ…。ほんまに…ほんまに、よぉ頑張った」

全てを終えて司会を終えたあっくんが、ぎゅうっと抱きしめてくれた。

みんな、ありがとう。

ただいま。