無限の未来 5th season (ページ42)

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242話ページ42

【北斗】

漠然と、こいつらと一緒にやっていくんだと思っていた気持ちは、この1年でいとも簡単に崩れ去った。

B.I.Shadowが自然消滅して、健人や風磨と壁ができてしまったように思った、あのときみたいな絶望は感じなかったけど…。

むしろ、今回の方が、こたえたのかもしれない。

こたえたからこそ、なんか…もうどうにでもなれっていうか。

だから、また7人で…って言う発想は俺にはなくて。

ジェシーと二人で…ってことが当たり前になりつつあった今、そうしろと言われるなら、それを飲み込むまでだとも思っていた。

だから今、目の前で繰り広げられている光景も、まだ掴み切れてはいなかった。

赤「ジャニーさん…一回だけ、この7人でまたやらせてください。せっかく掴んだチャンス、Aだけ味わってないし。だから、7人で1曲だけ歌いたい」

「わがままなのは分かってます。でも、中途半端に崩れた7人だから。そうさせてしまったのは私だから…再出発するのに、この6人と、パフォーマンスがしたいです…」

2人のお願いに、ニコニコしていたジャニーさんの目が、少しずつ真剣な目に変わっていくのが、あまりにも分かりやすすぎて…怖かった。

そして、少し考えるそぶりを見せて、急にフラッと奥に消えたと思えば、ど緊張で半ば震えて待つ俺たちのもとに、紙とペンを持って戻ってきた。

書いては消し、書いては消し…それを繰り返していたところに、ふと言葉を投げかけた。

赤「Aは…ここに戻ってきて、よかったかい？君たち6人は、Aが帰ってきて、よかったかい？7人でいるのは…楽しいかい？面白いかい？」

矢継ぎ早なジャニーさんの質問は、俺たちを責め立てているわけではない。

その口調はどこまでも穏やかで、優しいものだった。

その問いを、真っ直ぐに受け止めて…凛と透き通った声で答えを出したのは、Aだった。

「答えは、全部…イエスだよ、ジャニーさん」

Aの答えに、大きく息を吐き、そして大きな声で笑い、安心したように、大きな文字で紙に筆を落とした。

あれほどまでに悩んでいたのが、嘘みたいに。

ジャニー「YOUたち、まだグループ名、なかったんだっけ？…つけちゃおう、今」

そう言ってジャニーさんの見せてくれた紙には、大きく【SIXTONES】と書かれていた。