無限の未来 5th season (ページ40)

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240話ページ40

【大我】

「ねぇ、今日さ、みんなでご飯いこ～」

桃「あら、珍しい。Aから誘ってくるの。お腹空いてんの？」

赤「いいねぇ、行こうか。A、久しぶりだし好きなとこ決めていいよ」

レッスンに行って、いくつかの雑誌の撮影をして、今日は重ねてカレンダーの撮影もあったけど、仕事が終わったなら、普段ならそれで終わり。

でもこの日は違った。

いつも誘われる側だったAが、珍しく俺たちをご飯に誘ってきた。

久々にこのメンバーで一緒になったし、カレンダー撮影もあって、今日は長い時間一緒にいたから、離れるのが寂しいんじゃない？なんて言って。

もちろん誰も断るわけなく、バカレアの6人とAっていう久々のメンバーでご飯に行くことになった。

「なんか、個々には会ってたけど…7人で集まるのは…」

赤「Aの病室以来。あの夜、以来かな…」

青「んだな。…ハハっ、よかったよ。こんなふうにまた集まれてさ。めっちゃよかったじゃん」

あの夜、俺たちは7人でワンワン泣いて、グッと固く手を繋ぎ、前を向いた。

前を向いて、もうダメだと思うことも、ここまでにしようかと思ったことも、すべてを捨ててしまいたくなることも山ほどあった。

それでも、なんとかここまできたなぁ…なんて、樹の言葉を聞きながら思う。

「…というか、あの…集まれるように、なりたい。また、こんなふうに…。ご飯やなくて、仕事で。この、7人で」

黒「…どういうこと？」

黄「ごめん。今日Aがご飯に誘ったの…ジェシーと、俺との計画だったんだよ。それで、俺と…Aで、お前らに声かけて…集まってもらった、感じ」

4人「はっ！？」

赤「…単刀直入に言うね。俺はね、またこの6人と、7人で出来たらいいなって。それで、二人にお願いして。Aも…そう言ってくれた」

状況の読めない俺たちと、楽しそうに笑うジェシー。

そしてその隣で、真剣な目で、俺たち一人ひとりを見つめるA。

「バカレアの降板が決まってから…私ずっと悔しかった。あそこにいたはずやのに…って。12月の公演は、間に合わなかったけど…絶対にみんなに、6人に追いつくから」

“7人で、1曲だけ歌いたい。再出発の意味で”

思えば俺たちのズレた歯車は、ここからまた、少しずつ噛み合い始めたのかもしれない。