無限の未来 5th season (ページ38)

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238話ページ38

【ジェシー】

赤「あら、お帰り～」

「うん、ただいま」

赤「あら、実はちゃんとAの制服着てる姿見るの、初めてかも」

「え、ほんまに？あぁ、でも確かに。ジェスは土日で一緒に練習すること多いから、普通にレッスン着やもんな」

赤「そうそう。あ、そうだ。ねぇ、Aは進路…どうするの？もう、決めてる？」

俺は高校を卒業したら、進学はせずに、仕事に専念することを決めた。

同じ時期に卒業する予定の北斗は大学へ進学することを決めたみたいだけど、1年前に卒業をした樹や大我もそうしてるし、俺はそっちの方が向いてるかなって思って、腹をくくった。

でも、そういえば同い年のAがどう決めたかはまだ聞いていなかったから。

どんな答えが帰ってくるのかは、なんとなく想像がついてはいたけど。

「んー、私は卒業したら、進学はしない」

赤「ん、そ」

「え、驚かんの？」

赤「なんとなく…そんな気がしてたから」

もうちょっとビックリしてくれるかと思ったってちょっとだけいじけた顔をするA。

そんな顔が見られることさえも愛おしい。

同時に、Aがこの世界で生きていく覚悟の強さを知った気がした。

「話したんだ、野球部のみんなにも」

赤「そうなの？」

「みんな、応援してくれた。Aなら絶対できるって。自信持てって言ってくれた」

赤「相変わらず、愛されてんね」

「ふふっ。ん、ありがたい。あと、Jr.のメンバーやと…樹くんとほっくんには話したのと、安井くんとか、阿部くんには相談乗ってもらった」

赤「じゃ、もう揺るがない覚悟ってやつだ」

「ん、そういうことになるかな。ちゃんと、考えて…周りの意見も受け入れて、決めた」

部活を引退してからも、放課後以外はこれまで通り野球部の仲間たちとほぼ一緒にいるらしい。

そんな仲間からの太鼓判と合わせて、こらから先を共に過ごす仲間からの言葉も、相当嬉しかったらしい。

でも、知ってるよ。

赤「だから、早くステージに戻らなきゃって…A、焦ってんの？」

「っ…！」

赤「んー、どっちでもいいと思う。っていうと無責任だけど…“焦るな”とは言わない。けど、“焦らなくてもいいよ”とは言っておく」

なんだそれって爆笑するAは、やっぱり俺の好きなキラキラした笑顔を忘れてなかった。