無限の未来 5th season (ページ35)

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235話ページ35

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朝起きると、朝ごはんの匂い。

まだ少しぼやっとする頭でリビングに行けば、キッチンにはほっくんがいて、トントンと小気味いい音と、和食のいい匂いをさせていた。

まだ少し普段よりも重たい胸に、調子悪くなったことも思い出して、その記憶を辿るごとに、あ…こっちに帰ってきたんだっけってようやく昨日の記憶がはっきりしてきた。

黒「おはよ。熱、下がってたな」

「ん…」

黒「でーも…まだ、息はちょっと苦しそうね。今日は？誰かと練習する予定だったの？」

「んーん…今日は…断った」

黒「そっか。よかった。ゆっくりしなね、俺たちも今日休みだし」

「樹くんは…？」

黒「寝てんだろ、まだ早いし」

「そっか。…ありがと、昨日」

なんのこと？ってとぼけてわしゃわしゃ頭を撫でてくれるのは、多分、ほっくんの優しさ。

ご飯は俺が作るから、ゆっくりしててなんて、どこまでできた人なんだろう。

しんどいながらも私も何かできることしたくて、しつこく何かできることない？って聞けば、困ったように笑って、任務与えます、だって。

黒「もうすぐできるし、樹起こしてきて」

「ん…」

黒「手強いよ〜？知ってると思うけど」

寝起きの悪い樹くんは、なかなか起きてくれなくて、負けないくらい寝起きの悪い私は、なんだかそんな樹くん見てたら眠たくなっちゃって、見事にベッドの横で夢の中。

結局起きてこない私たちに痺れを切らしたほっくんに起こされて、2人とも寝ぼけ眼の朝ごはん。

黒「あの話。するって言ったの、樹だかんな」

ほっくんこ言葉に、私の頭の上にはハテナマークが溢れかえってる。

あの話？なにそれ？よくわからない。

青「キョトンってしてるな。あれって、卒業したらここに住む話。昨日は、お前…ここに住もうかなって言ってたけど」

「あぁ…」

黒「勇人くんにも話したんだけどね、Aが自分で決めていいよってさ」

「ん。なら、住む…2人と、住む…。昨日話したの、変わりはないよ。お世話に、なります」

意外とすんなり言葉の出てきた自分に、私自身も驚いた。

もちろん2人はそれ以上に驚いてたけど、昨日のことがあって、安心したから。

私が、この身体で一人で生きていくのがしんどいのは、十分にわかってしまった。

でも生きるため、ちゃんと決めていたんだ。