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230話 ページ30

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黄「なーに見てんの?」

「あぁ…高地」

黄「あぁ、前のMyojo?」

「んー、そう。まぁ、知っとったんやけどね…。ちょうどこの公演が終わった時にね、大我くん本人から、この話聞いたの」

黄「この話?あぁ、これか…。これはなぁ…」

「…別に、ショックとか受けとらんよ。みんなが思ってるよりは…冷静に受け止めとるかな」


その言葉を目の当たりにするのが2度目だったからか、大我くんの言葉を見たけど、それほど大きなショックは受けなかった。

いや、違う…2度目だったからってだけじゃない。

もちろんそれもあるけど、帰ってきたこの場所では、まだ必死にみんながもがいていたから。

ただストレートにその言葉だけを受け止めた一度目のその時は、そんな現実から目を背けようともした。

でも、今その言葉をしっかり受け止めて、それでもショックを受けたわけじゃないのは、それぞれが、それぞれに、与えられた場所で必死に戦っているのが、現実としてこの目に映っていたからだ。


「私は、やっぱりみんなを信じることしかできん。信じることしかできひんけど、信じることはできる」

黄「A…」

「だって、まぁ…自分が直接聞いたならまだしも、どこどうやって切り取られてるのか分からない言葉なら、なおさらだよ」

黄「…そうだけど」

「それよりほら。見て、高地。私、ここまでできるようになってん」


活動に復帰をしてからしばらく。

はじめは、簡単なスタップや、ターンさえ出来なかった義足でのダンスも、こうやって本当に少しずつでもできることが増えていた。

踊れないから歌う。

まずはそうやって、貪欲にできることを増やしにいった。

でも、踊ってもないのにマイクなんて持って…って思う人だっていたと思う。

だから必死で練習した。

歌だけじゃなくて、ダンスだってできるって。

私は、みんなだけじゃなくて、自分のことも信じた。

信じるしか、なかった。

ここで、また生きていくために。


黄「やべ…。平気で抜かれる」

「ね?みんなが信じてくれてたから、私はここに戻ってこれたんよ。まだまだ全然やけど、一歩ずつ、前の私に追いつく。みんなが、信じてくれてるから。だから、私もみんなを信じる」


一歩ずつ。

一歩ずつでいい。

一度繋いだその手を、離さずにいれるのなら。

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美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスと熱中症に気をつけてくださいね (2020年9月7日 14時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かん。 | 作成日時:2020年8月16日 11時

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