無限の未来 5th season (ページ27)

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227話ページ27

【ジェシー】

「ただいま、ジェス」

赤「おかえり。あと、お疲れ様…だね」

「んふふ、ありがとぉ」

高校野球を終えたAが、ジャニーズJr.の活動に復帰することが決まった。

元々その予定ではあったけど、病気が見つかってこの世界から離れた時とは、全く状況も違うわけで、本当に復帰をするのか？と、ジャニーさんや馴染みの先輩たちからも、随分しっかり問い詰められたみたい。

それでも、Aの意思は変わらなかった。

とはいえ、まだ義足でのダンスには全く慣れていないどころか、ゼロからスタートの状態。

いくらこれまでの活動で最前線まで登り詰め、長年活躍していたAでも、そこはもう一度仕切り直し。

「ジェス…？A…3ヶ月で戻るから。絶対戻る。新年開けたら、必ずステージに立つ。今はまだ、絶望的なポンコツやけど…絶対、みんなの隣に戻るから」

赤「Aらしいや！安心した」

「あ…！ミサンガ…」

赤「ん？つけてるよ。当たり前じゃん。Aが、ちゃんと願い込めてくれたんでしょ？…他のみんなには、まだ渡せてないけど…ごめんね？」

「んーん…。ジェスが、ずっとつけてくれてただけで、それで十分だよ」

入院中のAが、俺たちのためにと作ってくれたミサンガ。

いまだに、あいつらには渡せていないまま、残りの5本は俺が持ったまま。

俺にとっては、Aも含め、7人でやりたい気持ちが本当に大きくて、たぶんそれは、このミサンガを作ってくれたAも同じだと信じたくて。

この6人と一緒じゃなきゃダメだって気持ちも、俺には今も大きく残っている。

でも、なかなか言い出せない。

機会を伺って、結局踏み出せずにいる。

「ジェス…？もう少しだけ、待ってほしい…。私、頑張るから…。さっきも言ったけど…絶対、みんなに並べるように頑張るから」

赤「ん、待つよ。俺ね…多分、あの7人は…一緒じゃなきゃダメだと思うんだ。ここまできたのはきっと…Aが帰ってくるのを…」

“待ってたんだと思う”と言おうとした俺の言葉は、無言でこちらをまっすぐ見つめるAの強い瞳に制された。

言わなくても、いい。

それは、これからの未来で示していくんだって、そんな強い想いが、その強い瞳から感じ取れたような気がした。

きっと…俺たちは、大丈夫。