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223話 ページ23

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ジリジリと照りつける太陽は、なんだか去年よりも私たちをもっと強く攻めにきている気がして。

ジージーとやかましく鳴き続ける蝉の声は、そんな太陽の強さを、より一層強めてきているような。

そんな激暑の中で、いよいよ始まってしまったアツい夏。


“きっともう一度”


会場で流れるその歌詞に、幼い頃から聴き慣れた大好きなその声に、力をもらって。


“俺らも頑張る。一緒に、頑張ろうな”

“行ってこい。全力で、戦ってこい。待ってるから”


少し離れた場所で、同じようにアツい夏を過ごす大好きな仲間たちからのメッセージを胸に、今…目の前で共に時間を重ねた仲間との夢を追う。


地道に、順当に勝ち進んでいた予選。

完封、完封、大勝、完封。

どれも、十分すぎる戦いだった。


ただひとつ、私たちが狙うのは、4連覇。

準決勝の相手には、春にも大勝している。


数原「“いける”やなくて、“いかなあかん”」


試合前の強すぎるほどの数原の言葉は、痛いくらいに、選手みんなに響いていた。


“甲子園にいく”


ただそのひとつの目標だけを信じ、立ち上がりから、積極的に攻め続けた。

攻撃的な打撃で、先制点は、危なげなく奪った。


佐野「いけるいける!畳み掛けろ!」


相手のミスも絡み、次々と襲い掛かる打撃陣。

かと思いきや、先制点だけにとどまった。


「大丈夫。まだまだ、試合は長い…」


ジリジリと、0の続くスコアボード。

何度も、何度も、白い用紙に“0”を刻んだ。


次に点が入ったのは、相手だった。


流れが傾いた気がして…0以外の数字をそこに書くのが、ほんの少しだけ怖かった。

でも、うちの選手は強い。

絶対にいけると、いくんだと…。

そう信じていた。


片寄「しゃっ!まだ取れる、まだ取れる!」


片寄の言葉通り、取られたあと、すぐに複数得点で逆転をした。

流れなんて、渡すものかと。

そんなみんなの気迫があった。

そんなみんなを、ずっと見ていたいと思った。

どちらも、全く譲らなかった。

どちらも、絶対に終わりたくない夏だから。


「落ちて…!」


そんな私の願いは



よく晴れた青空に、響いて



消えた…。



あ、終わったんだ…って。


なぜだか、やけに冷静だった。


あんなに泣き虫だった私なのに…涙は、一筋も流れなかった。

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美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスと熱中症に気をつけてくださいね (2020年9月7日 14時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かん。 | 作成日時:2020年8月16日 11時

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