無限の未来 5th season (ページ19)

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219話ページ19

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途中で体が耐えきれずに、最後までベンチで彼女を見守ることはできなかった。

医務室で、そばについていてくれた同期と何気ない会話をしながら、なんとも言えないだるさと向き合っていた時。

ガラガラと扉が開いて入ってきたのは、なんとなく浮かない顔をした後輩マネージャー。

さっきのような、冷たい空気は…流れなかった。

「お疲れ様。…どうやった？」

益田「…ダメでした。間違いだらけで、テンパって、全然ダメでした」

ぎこちない会話。

なるべく、昨日の事は気にしていないフリをして。

でも、やっぱり…ぎこちない。

益田「あの…足…」

「…っ！」

益田「その…。大丈夫、ですか…？」

もう、逃げられない。

ロックオン…そう感じた。

冷たい空気はないように感じたけど、ピンと張り詰めた空気に、発する言葉を迷ってしまう。

迷ってしまうけど、これしかないかなって。

「ごめんね…。驚いたよね…」

益田「いえ…」

「…怖かったでしょう」

一度話せば、一方通行の会話になっているだなんて考える暇もなくて。

次々に言葉を紡いでいった。

言葉は、止まらない。

「いつ、ああなるかわからんの。左足失くしてから、もう何回も体感してる。自分で耐えられる痛みもあるし…昨日みたいに、息もできないくらいの…強い痛みもある」

数原「っ、A…」

「益田さんの思とる通り、部活にだって影響出とるし…。自分だけならまだしも、寮生のみんなは…私が夜に痛みと闘っとることに気づいたら、治まるまで起きとってくれたりもする。迷惑ばっかり…」

彼女は、まっすぐと私を見つめていた。

その目が、ほんの少し怖くて…ただ、言葉を続けることしかできなかった。

「幻肢痛だけやない。抗がん剤打って帰ってくれば、副作用で部活どころやない日もあるし、その日だけで治まらへんことも、何回もあった。正直…私が一番、私の存在意義がわかってへん。何のためのマネージャーなんやろって…そんなん毎日思ってるよ…」

益田「っ…」

「でも、どんなけ情けなくても…上手くいかんでも、悔しくても逃げたなっても…やっぱりこのチームで、甲子園行きたいって、そこにたどり着くんよ」

話しながら、ボロボロ涙が溢れてきたけど、そんなことは関係ない。

今伝えなきゃ、後悔すると思った。