無限の未来 5th season (ページ16)

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216話ページ16

【数原】

「ﾝｯ…ﾊｱ…ﾊｱ……いた、い… うっ…痛いぃっ！痛いっ！ｯﾊｱﾝｯ…ﾊｱ…ﾊｱ……」

大丈夫、痛くないよって言う言葉も虚しく、届かず。

とにかく、痛い痛いって、もうそれしか言葉も出てこないA。

みんな集まったからって、なにができるわけでもなく、ただ、苦しく息を荒げるAのそばにいるだけ。

薬を飲んでも効かないし、病院へ連れてってもらったところで…というのも分かってる。

とにかく、耐えるしかない…って、悲しそうに言ってたのを思い出す。

数原「A、どうするんが楽～？その姿勢、しんどくないか？」

「…ﾊｱ…ﾊｱ…数原……ﾊｱ…ﾊｯ…痛い…」

数原「うん、痛いね…」

さする背中は肩まで大きく、早く上下して、いやにかいてしまった冷や汗でじっとり濡れている。

とにかく痛みで頭が支配されてしまっているのか、ただその痛みに耐えながら、そんな痛みから逃げるように、時折大きくよじれる体。

でも、何もできない。

俺も、俺たちも、A本人も。

「ンンッ！ﾝｰｯ!」

片寄「Aっ！辞めな、A。痛いよ？」

数原「あかん、あかん。それは、やめ？」

「…ﾊｱ…ﾊｱ…んっ……ﾊｱ…ﾊｯ…痛い…」

急に、バシバシと自分の足を叩き始めるAに、驚きながらも慌ててそれを制する。

ただ、パニックになっているのか、Aは足を叩くことを止めなくて、何度も俺たちの制止を振り切っては、その手が俺らにも当たったり。

そんなの、どうだってよかった。

どこにそんな力があるんだろうと言うほどの力は、俺らが簡単に止められるものじゃなかった。

佐野「A、A…落ちつこう。な…大丈夫。大丈夫だから。大丈夫…大丈夫……」

「ｸﾞｽｯ…い……たい…ﾊｧｯ…ﾊｯ…ﾊｧ…ｸﾞｽｯ」

佐野「うん…。大丈夫。もう少し…。悪りい、ちょ…誰かタオルもらってきてくんない？」

片寄「俺、行ってくるわ。佐野、そのまま…」

佐野「ん、さんきゅ」

玲於がそっと抱きしめながら背中をさすると、少しずつ落ち着いてきたA。

びっしょり汗かいて、何度も何度も強く握った手も足も真っ赤になってしまっていて、少し痛々しいけど…。

大丈夫、大丈夫と繰り返すうちに、Aの体の力が少しずつ抜けていったことに、ようやく俺たちも。