無限の未来 4th season (ページ41)

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191話ページ41

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数原「中途半端に知ってるのは、まずいと思うんだ。俺たちも、Aにとっても」

「っ…」

数原「いやさ、実際…俺たちだけに詳しい話をしておいたとしても、乗り切れる可能性のが高いとは思うで？でも、絶対不審がる奴はおると思うし。なにより、A自身も楽なんちゃう？」

「楽…か、どうかで…いえば…」

数原にそんなことを言われたのは、いよいよ新入生が寮に入ってくるのを目前に控えた3月のこと。

最後の夏に向けて、春も絶対に離脱なんてしないと決めた私の治療も、いよいよ大詰め。

片寄「正直、体力やって落ちてるやろし。ほら、免疫のことも…あるやろ？幻肢痛やって、最近は出てへんけど、いつ出るかわからんやん」

「んー…まぁ…」

実際、片寄の言う通りだった。

私が病気のことで相談ができるのは、部に関わる大人と数原、片寄…それと、佐野。

決して、その人数は多いとはいえないし、頼れていると自信を持って言えるわけではないのかもしれない。

同期の寮生には割とちゃんと伝えてあるけど、同じ寮生であっても、下級に生には病気のことを話せていないのが現実。

私自身があまり言いたくないのもそうだし、何より後輩たちに心配をかけたくなかった。

どこかで、自分自身を受け入れられていないのか、それとも…彼らに、受け入れられなかったら…と思うのが怖いのか、それすらも、考えることに怯えている、私の意気地なさのせいだった。

佐野「Aが頼らなくても、気づける奴が増えるなら…言えばいいと思うよ。でも、言って、ただAが悔しい思いして、それで今と状況が変わらないのなら…言わないのも選択肢の一つじゃない？」

「佐野…」

佐野「俺は、あと半年…Aが俺らと同じように、ただ野球に集中できる方を選びたい」

普段はあまりそんなこと言わない佐野の言葉に、どきっとした。

私が、みんなと同じように。

佐野「少なくとも、お前がビビってるようなことにはなんねぇと思うし…もし、そうなるなら…俺らが、止める。俺らが、そんなの間違ってるって、それは…たとえぶつかることになったとしても、俺はアイツらを責める」

数原「ま、ないと思うけどな」

そんな言葉に、勇気をもらうしかなくて。

「…話そう、かな」

私はまたひとつ、何かをつかんだ気がした。