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190話 ページ40

【片寄】

「ごめ…片寄、今日ちょっと、無理そう…」

片寄「あー、おけおけ。いいから、寝とけ。監督には言ってる?まだなら、俺伝えとくし。無理にケータイ見たりせんでええよ」

「ん…だいじょぶ、監督、と…数原にも…言うてる…」

片寄「了解。頑張ったやん。ほな、ゆっくりしとき」


朝、普段だったら誰よりも早く起きて食堂で練習の準備をしているAがいなかった。

そもそもは朝が苦手なAだし、寝坊でもしたのかと思ったけど、ちょっと嫌な予感がして部屋を覗けば辛そうな表情。

昨日は病院に行っていて、そん時に抗がん剤を入れてるから、多分これは副作用なんだと思うけど、やっぱりこんなしんどそうな顔見たら、心配になるもので。


片寄「足は?痛くない?」

「ん、大丈夫…」

片寄「そ。何もしなくて大丈夫か?」

「んー…ん、たぶん…大丈夫…」


少し覗けば熱が出ているみたいで、よくみるとその体は少しだけ震えていた。

吐き気もあるのか、顔色もあまり良くないし…心配にはなるけど、それでも本人は大丈夫って言ってるし、難しいところ。


片寄「ごめん、やっぱ熱だけ測っとこうや」

「ん…」

片寄「…ここ、布団もう一枚出てるし。使いや?」

「…ぁ、鳴った」

片寄「ん、見して?うぉ、普通に熱高いやん…」


正直ここまで副作用が出ている時には出くわしたことがなくて、初めての経験に少し戸惑ってはいた。

とりあえず事情を知っているらしい数原に伝えにいけば、数原は病院でも副作用に苦しむAに会っていたみたいで、テキパキとAにいろんなこと聞きながら、対処していく。


数原「A、枕冷たいやつに変えよ。ちょっと頭あげてくれ〜…ん、そうそう。ポカリ、置いとくな。じゃぁ、俺ら行くからなー」

「ん…さんきゅ」

片寄「さんきゅ、俺だけじゃ無理やったわ」

数原「長くてもあと半年とはいえ、Aがいいって言ったらやけど、みんなにも何かあった時のために、伝えておこうか…こうなること、あるって」

片寄「その方が…いいかもな」


やっぱり数原は、頼れる男だ。

頼れるし、なんかこいつがいれば大丈夫かなって…そんなこと、思えそうで。


“この代のキャプテンは、数原しかないと思う”


2年前にAが言ってた言葉は、本当にその通りだと思った。

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美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスと熱中症に気をつけてくださいね (2020年9月7日 14時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かん。 | 作成日時:2020年7月14日 17時

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