検索窓
今日:10 hit、昨日:33 hit、合計:157,858 hit

175話 ページ25

【大我】

高地のところに電話が来てたから、俺のとこにもこないかなぁなんて思ってたけど、残念ながら電話は来なかった。

でも、読むのに苦労するくらいの、長い長いメールを送ってきてくれた。

よくもこんなに書くことがあったなぁ、なんて…ことは、思いもしなかった。

ツラツラと、思いの丈をぶちまけてくれたそれが、ただ嬉しかった。


桃「生きられなくても、いいから…か」


“長く生きられなくてもいいから、今を生きたいと思った”


命をかけてでも、大切にしたいもの。

そこまでしても、戻りたい場所。

俺にそんな熱い場所、あったっけ。


青「A?」

桃「ん?あぁ、うん、そう」

青「なんて?」

桃「内緒だよ。こっちの出すなら、樹にもなんてきたのか教えてよ」

青「えー、そんなの内緒だよ」

桃「でしょ?」


“あのステージが、大我くんにとって…みんなにとって、熱い場所でありますように”


青「大我くん…ね。久々に聞いたな」

桃「わざとなのか、無意識なのか。見てるかわかんないけど…。てか、見ないでよ。覗き、禁止〜」

青「ふふっ。わざとなわけ、ねえじゃん。Aはそんなに器用じゃないよ」

桃「ま、そっか」

青「…やってきてよ、京本くん」

桃「きょも!」

青「んはっ!はいはーい」


そんな会話から数時間後…俺たちはまた、漏れた。

華々しく、と…本人たちが思えているのかは別として、少なくとも俺たちには、プラスとマイナスの気持ちが入り乱れるそれだった。


また、俺たちじゃなかった。


大晦日の今日、この時間にこのステージに立っている俺たちは、いわば“潮時間近”と言われたって仕方のないメンバーばかりだ。

聞かされていない突然の発表に、明らかに驚いた顔をするやつ、焦った顔を見せるやつ、隠し切れない涙を見せるやつもいた。

反応は様々だった。

あのメールがなければ、俺もその中の1人だったのかもしれない。


“苦しいけど…もうちょっと、頑張れる気がする”


桃「別に、デビューできなくたっていい。だから、俺を見て…」


今は、デビューが第一優先ではない。

というか、そんな次元には…いられないのかもしれない。

だったら、まずは目の前のこと。

あいつが強くなれるなら、そのために頑張るのだって悪くない。

そうやって言い聞かせた。

176話→←174話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (71 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
225人がお気に入り
設定タグ:SixTONES , 紅一点 , 病系
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスと熱中症に気をつけてくださいね (2020年9月7日 14時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:かん。 | 作成日時:2020年7月14日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。