無限の未来 4th season (ページ6)

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156話ページ6

何日か前から、なんとも言えない違和感があった。

熱は下がらないし、なんとなく呼吸も苦しくて、口を開けば“しんどい”しか言えないような、そんな体調が続いていて、どうしようもない。

副作用とはいえ、ここまでひどくなるものかと思っていたら、治療の反動で免疫が下がっていたらしいところに、まぁ何かしらを拾ったんだろうと。

そこからは、もうこれ以上は…ということなのか、あれよあれよと無菌室に入ることになってしまって、しばらくは誰かの温もりを感じることはできないことを悟った。

前の治療の時も、手術の前も入ったことはあるけど、やっぱりどこか慣れない雰囲気の無菌室。

病室に入ってくるのは、病院の関係者か3人のお兄ちゃんたちだけ。

しかもみんな、完全防備で入ってくるから、温もりもへったくれもないわけで。

「なんか…ﾊｧｯ…せんせ、さいぼーぐ…みたい、ﾊｧﾊｧｯ…さいきょー、だね…」

Dr.「ごめんね～、Aちゃん今、本当にいろんな菌拾いやすいからさ…」

「せんせ…ﾊｧ、なんか…ちょっと、っくるしぃ…かも…ｺﾞﾎｯｹﾞﾎｯ…」

Dr.「ほんとだね…。93かぁ…しんどいね…。ちょっと酸素あげておこう。どうしよう？マスクに変えよっか」

話しにくいし嫌だなぁ…なんて思ってたら、ガラスの向こうにチラッと見えた、大先輩。

小さい頃からかわいがってもらっていた、拓哉さんがそこにいた。

木村『よっ。…話せそう？』

「…ﾊｧ、びみょ、お、ﾊｧｯ…へへっ…」

木村『しんどそうだな…。どうする？頑張れるんなら、ジェシー、来てるけど？』

「…ﾊｧｯﾊｧ、じゃぁ…ちょっと、ﾊｧｯ、がんばろ…かなっ」

久々にジェスの顔が見られたと思えば、疲れた顔をしている。

今の私の状態じゃ、彼に元気を分けてあげられないのが悔しかった。

元気のない顔をしたジェスは、それでも私を笑わせようとしてくれる。

そんなに、頑張らないで…って、伝えたかった。

しばらく話した後、ジェスが先に廊下に出て拓哉さんと2人。

木村『大丈夫。ジェシーのこと、ちゃんと見ておくから。だから、Aは、自分のこと大事にしろ』

優しくて、大きなお父さんのような拓哉さんは、昔から何も変わってなかった。

また来るなって、小さく手を振る後ろ姿は、いつまでも憧れだ。