112話 ページ12
Dr.「Aちゃんー？起きてるー？あ、起きてるね。それでは、いいお知らせです」
「いいお知らせって言われたら、楽しみなくなるやん。サプライズちゃうん、そういうの」
“いいお知らせ”
先生がそう言ってくれただけで、前々から結果がよかったらとずいぶん保険をかけられながらも予告をされていた、一時退院ができるんだってわかった。
一時退院ができるのはたったの1週間だけとはいえ、終わったらまた抗がん剤をするとはいえ、それでも家に帰れることが、病院から出られるってことが、嬉しくて嬉しくて仕方なかった。
すぐにお兄ちゃんにも電話をして、退院は3日後なのに、もうすぐに荷物をまとめ始めた。
Ns.「はいAちゃん、説明しますよー。って、荷物まとめるの早すぎる。まだ3日あるんだけど？…じゃ、一回手止めてね？退院の説明するから」
「楽しみやったから、つい。ふふっ…ねぇねぇ、なんでもしてもええのん？」
Ns.「さすがになんでもは、ダメ。今からそのお話するんだから、ちゃんと聞いてて？」
最初に病気が見つかったときは、外泊までしか許されなかった。
先生とも看護師さんとも、色んな話ができるくらいに親しくはなったけど、やっぱり病院は病院。
家に帰りたくて、家族に、友達に、仲間に自由に会いたい気持ちは募りすぎるほど募っていた。
Ns.「っていう感じ。退院から次の入院まで気をつけて欲しいことは、このパンフレットにもまとめておいたから」
「はぁい」
Ns.「それと、先生から。もちろん、十分に感染に気をつけることが大前提だけど…夏の大会、行ってきてもいいよって」
さすがに耳を疑った。
確かに入院をした時から、先生にずっと言い続けてはいたけど、正直許可が下りることはないと思ってた。
だから、本当に嬉しくて。
Ns.「ほら泣かない、泣かない。きっとね、先生も諦めきれなかったんだと思う…。だからね、ものすごくスケジュールをしっかり立ててるの。でも、期待させるといけないからって、言わなかったんだと思う」
「そんなの…聞いてないっ！」
Ns.「先生、必死に黙ってるんだから。私からこのこと聞いたって言ったらダメよ？」
優しく笑って出て行った看護師さんにも、なんとか大会に行けるように治療を進めてくれた先生にもただただ感謝しかなかった。
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かん。(プロフ) - 美紀さん» ありがとうございます！！！ (2020年5月30日 11時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでと更新大変だと思います頑張ってください応援していますコロナウイルス流行ってるので気をつけてくださいね (2020年5月27日 12時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2020年5月20日 22時
