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【亀梨】
“和にぃ、A…ドリボ、卒業することにしました”
まだ残暑厳しい季節。
お互い仕事が忙しく、少し連絡するのも久々になったAから受けたそんな報告。
まさかAがそんな決断をするとは思わなくて一瞬ビックリはしたけど、思ったよりもスッキリとした声でそれを伝えられたことに、一番大きく湧き上がったのは喜びだったかもしれない。
それに、あの舞台を“これまでもこれからも、一生で一番大好きな舞台”と誇らしげに言ってくれたことにも。
そんな風に自分で大きな一歩を踏み出したAを知っていたからこそ。
亀梨「俺と、Jr.のコンサート作ってみない？」
Aたちがデビュー発表をした以来の、Jr.単独のドームコンサートで、東西合わせての公演となれば、Aさえもまだ入所をしていなかった、23年も前の話だった。
そんなコンサートの演出を担当してほしいという話をもらった時、二つ返事でイエスを出すことができずにいた。
出演を予定しているJr.のほとんどが、23年前には生まれていなかったレベル。
自分たちの出演するコンサートを構成するのとは、訳が違った。
そんな時にふと思い浮かんだのが、A。
彼女とならと、自分よがりなのは重々承知だけど、一度浮かんだそのイメージを手放したくはなくて。
亀梨「ごめんね、急に」
「ふふっ。正直ビックリはしたよ。でも、そういうところで和にぃの頭に私が浮かんだことは素直に嬉しかった」
亀梨「…俺も、100%自信ある訳じゃないのよ。ここ数年のJr.事情とか全くわかんないから。その点、Aは直近の“Jr.のドーム”で一番中心にもいたから頼りになるし」
「うーん…まぁ」
亀梨「んでAなら、ちょうど俺とJr.の子たちの間ぐらいの年齢じゃん？それに、関西と東京どっちにもいた経験がある」
「いや、いたって言うてもA関西におったの2年とかよ…？それに今のJr.の子たちだって、うちらバックほとんどつけたことないから関西どころか関東の子ですらほとんど絡みないし…」
亀梨「やっぱ…難しそう？」
「んー…。自信は、ない…かな」
随分とぎこちない返事だった。
でも…。
「このお返事…いつまでなら、考えてもいいですか？」
ぎこちない返事の後に続いたのは、Aなりの前向きな返事だった。
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作者名：かん。
| 作成日時：2024年3月17日 23時
