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【風磨】
ずっと、不安だった。
マリウスが、卒業をする。
その話が出た時から…何度だってずっと、この日を想定してはそんな結果にはするまいと、何度も何度も描いては消したイメージ。
誰よりも仲間を大切にする、大切にしてしまうA。
それがたとえライバルであろうとも、好敵手という表現があまりに当てはまるほど、周りをどこまでも大切にする彼女だったから。
黄「落ち着いたわ、多少」
菊池「…ん、そっか」
デビューが決まったあの時。
B.I.が、このまま消滅するんだと察したあの時。
Aがガンと告知された直後、本当にたった数日後。
なにもかもを失ったように見えた彼女に、俺はどうしても言えなかった。
“言ってくれたらよかったやん”
結局、ニュースか何かで俺たちのデビューを知ったAは、俺に向かってそう言って笑った。
黄「アイツは、大丈夫だよ」
菊池「え…」
黄「大丈夫。俺らが思ってるより大人だし…ずっと強いから」
菊池「…だから心配なんだよ」
黄「…ハハッ、奇遇。…俺も、一緒」
“強すぎて、時々不安になるんだよ…”
そう言って、�眞呂呂い弔發里茲Δ剖譴靴�笑うでもなく、不安そうに肩を落とした。
その姿になんかちょっと安心してしまった自分がいたことが、許せなかった。
黄「こんだけ続くと…今回ぐらい、弱いとこ見せてくれた方がよっぽど安心すんだよ…人間味、あんじゃん…その方が」
菊池「…言いたいことはわかる」
黄「アイツがあんまりに強すぎるとさ…そういうの感じ取る機能が壊れちゃったんじゃないかって…そっちが不安になんだよね。実際、そういうことあったし…。あん時のAのこと…俺、今でもずっと頭から離れないんだよ」
珍しく、涙を流してそんなことを言う�眞蓮�
そんな姿見たら、今日このあと結構大事な生放送控えてるだとか関係なく、俺まで涙が止まんなくなった。
Aが壊れてしまうことだけは、どうしたって嫌だったけど、やけにその未来が近くにありそうに感じて…不安でたまらなかった。
俺ら、昔からこんな泣くタイプじゃないのになって笑いながら。
黄「こんな顔で帰ったら…アイツ、また不安にさせちゃうな」
菊池「いや…いいと、思う。…俺は、Aに伝えるよ」
不安なの、お前だけじゃないよって…。
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作者名：かん。
| 作成日時：2024年3月17日 23時
