どこにいても ページ1
【ジェシー】
舞台にドラマ、映画とそれぞれに忙しくしていた夏から秋口まで。
会えるのは雑誌の撮影か、YouTubeの撮影くらい。
新曲のプロモーション期間に入って、まだそれぞれに忙しくはしてるけど、ようやく7人での仕事が少しだけ戻ってきた中。
赤「…やっぱ、落ち込んでる？」
黒「あぁ…ジェシー。んー…思ったよりは大丈夫そう。それでも必死に前向いてはいるんだろうけど。Aなりに頑張ってるよ」
赤「そっか」
桃「普通に連絡は取ってるみたいだしね」
赤「あ、そうなんだ」
突然の、滝沢くんの退社。
驚きはしたけど…なんとなく、目を逸らしながらも全く何も気づかないほど俺たちだって鈍感じゃない。
中でも、Aは本当に鋭い子だから。
「あれぇ、ジェス？」
赤「おはよ。昨日も遅くまで仕事だったんでしょー？」
「んー、そう。まぁでも、お家で青ソニと打ち合わせしてただけだからね。終わって、すぐ寝た」
赤「青ソニ…？なんかあった？」
「あぁ〜、んー…えっと…」
赤「A？」
「…ちょっと、自信なくて。ツアー」
段々と自信をなくすように言葉の終わりが小さくなっていくAを、なんか問い詰めているみたいで、慌てて怒ってるわけじゃないと伝えれば、小さな声で“ごめん”って。
そりゃぁ、先に相談はして欲しかったけど。
そんなこと思ってる間にAは撮影に呼ばれていった。
青「ごめん、俺が言うの止めてたんだわ。先に一回大人に相談しようって…」
赤「樹」
青「…あんまり人に言うと、思い込んじゃう気がしてさ。だから、ごめん」
赤「…うん。それでも、言って欲しかったかな。俺ら、たぶん…樹が怖がってるような結果にはしないよ。ちゃんとAの背中を押せる」
青「…んだね、ごめん」
赤「ヘヘッ。謝んなくてもいいけどさ。誰も悪いことなんかしてないんだから」
“自信がない”
Aがそう言うのも、分からなくはない。
そのくらい、ハードなセトリを仮で組んでいた。
仮とはいえ、ほぼこのままで行きそうなイメージはあったけど…やっぱり、今回はAの体のことをフル無視し過ぎてしまったかも。
青「…あのまま行きたい気持ちは、Aも強いみたいだけどね」
なんとなく、周囲が不穏な空気に包まれているような気がしていた。
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作者名：かん。
| 作成日時：2024年3月17日 23時
