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【佐久間】
これならいっそ、わーっと喚いて暴れてくれちゃった方が助かるんだけど…そうもいかないよな。
できたところで、俺の腕でシクシク涙流すこの子はそんなことしないだろうけど。
佐久間「…涙止まんないねぇ」
黒「…っ」
佐久間「あぁ…ごめんごめん」
今日はパパもいないし、俺らじゃ樹みたく上手には受け止めてあげらんないし、溜まりに溜まってたものが爆発しちゃったかなぁ。
こうやって、抱っこの胸に隠れてではあれど、泣いてくれるようになっただけマシかもしれないけど。
宮舘「あら、やっぱり。モニタ、揺れてたからさ」
佐久間「お熱でリハビリできなかった分、頑張りたかったんだよねぇ。…でも、ちょっと頑張りすぎちゃったから。ね、ほっくん」
黒「ん…っ」
宮舘「無理しないよって言ったって、だよねぇ…。っと、ちょっとしんどいかな…。北斗ー？ゆーっくり息するよ。ハァハァしないよ〜…。ごめん、佐久間。そのまま支えてて」
泣きすぎて、少し呼吸苦が出てきてる北斗の背中をさすりながら、ヒクヒクとその手に伝わるリズムが俺もなんか苦しくて。
でもさ、頑張りすぎなのよ…あなた。
黒「…ゃだ」
佐久間「ん？」
黒「さっくん…行っちゃ、ダメ…」
佐久間「…ふふっ。ん、わかったよ。ほっくんが寝れるまで、さっくんお部屋にいるね。そのまま寝ちゃいな…」
黒「…ｹﾎｯ」
しばらくウトウトしては咳に起こされたり、なんとなくグズグズしてた北斗だけど、大きく体調が崩れることはなく眠れた様子。
宮舘「北斗、リハビリ計画見直そっかなって…」
岩本「んー…。そうだね、ちょっとこのペースだとむずかしいかな。体力はそのうち追いついてくると思うけど、心がついてこないもんねぇ…」
宮舘「体力はねぇ。ベッド上でできることも増やしてあげたいけど、どうかな…？」
佐久間「…あのさ」
ステーションに帰れば、北斗のカルテを前に照と舘さんがあーでもないこーでもないって頭捻らせていて。
でもなんか、どこか見当違いに思えちゃって…。
佐久間「大事なのは…根本、じゃないかな。北斗が、なんであんなに焦ってんのかって…心が追いついてこない、その理由なんじゃないかな…」
生意気でも、俺はもう何年もずっと…北斗の、担当看護師をしてきたんだから。
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作者名：かん。
| 作成日時：2023年11月30日 20時
