Just call my name, when you need me【短編集】11 (ページ2)

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【北斗】

今年はインフルエンザが流行しやすいだろうって、そんな天気予報みたいな文言を聞いても、そんなのどう予想するんだって思ってた冬の始まり。

きっと流行るとしても、冬休み明けだとかみんな遊びに行った中でウイルス拾って…みたいな感じでしょ？とか思ってたけど、案外そうでもないみたいで。

青「北斗、おかえり。ごめん、遅くなって」

黒「んーん。冷蔵庫にあったもんで適当に作っちゃったけど、Aおかゆ食べれそう…？」

青「なんとか食わすわ。昼もほぼ食べれてないから、ちょっと色々怖い。栄養入れてもらっててもねぇ…」

黒「え、去年より全然ひどそうじゃん」

青「元々最近調子悪かったしなぁ…」

クラスでもケホケホと咳をする人やマスクをする人が増えてきていた。

Aがインフルを拾ってしまったのも、多分小学校も同じ感じなんだろうし、小さい子の方が免疫低いし、流行りやすいんだろうなって。

そんな中で、どれほど気をつけていても…ってところはあるし、いつも通り予防だってしてたから。

チラッと見えた、顔を真っ赤にしてしんどそうにする妹の姿はやっぱり苦しいけどさ…。

青「北斗んとこは？」

黒「あー…小学校ほどじゃないかもだけど、ちょっとずつクラスでも休む子は増えてきてる。ただ、インフルじゃない子も結構いるよ」

黄「高校生ぐらいになると、無理せず前もって休む頭もあるだろうしな。小学生だと、不調でも気づかない子もいるだろうし、無理する子もいるだろうし、難しいよな…」

黒「あぁ、優吾も帰ってきてたの？」

黄「ん。Aダウンしたって聞いたから。仕事キリついてたし」

青「ごめん、今回も総出になりそう…」

黒「父さん？」

何度経験しても、父さんはこういう状況になるとすぐに謝る。

きっと、俺がAの立場になった時も父さんはこう言ってくれてんだろうけど…誰のせいでもないって、いつも口酸っぱく言ってんのは父さんなのになって思ったり。

黄「ま、今のは北斗が正しいな」

青「…反省します」

黒「んじゃ、反省したら今はAのことに振り切ってあげて？ていうか、俺もう高校生なのよ。ある程度自立してんのよ」

そう言って少しふざけてみれば、父さんも優吾も、“頼もしいな”って笑った。

俺は大丈夫って、そう思ってた。