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【北斗】
“ビビって留まってても、もったいなくね？”
あれから数日、また私服姿で俺のお見舞いに来てくれたしょっぴーからの提案。
しょっぴーが言ってくれた通りだった。
一緒に乗り越えようと言ってくれた、しょっぴーと、それに桐山先生。
桐山「ほーくと。お、点滴も終わってるなぁ〜。体調は？いける？」
黒「ん、今のところは」
桐山「よっしゃ！ほな、始めるか。今どのテキスト使ってるんー？」
午前中は治療に専念。
朝イチから点滴落とされて、なにをするでもなくじっと耐えるだけ。
しんどくても、弱音なんて吐いてる間もなく襲ってくる副作用に耐えて、ようやく落ち着いてきた頃が、俺と桐山先生の時間。
とはいっても、全力で勉強できる体力はなくて、一日一教科、ほんの気休めっていうか…せめてもの治療の息抜き程度にするのが精一杯。
でも、それでよかった。
黒「ちょっと、休んでいい？」
桐山「ん、ええよ。…先生、呼ばんで大丈夫そう？」
黒「ん、そこまでじゃない。…ちょっとだけ、疲れた」
桐山「ほんなら、ゆっくりしよか」
しんどくて、無理しすぎてしまうのが怖くて…無理して、先生に止められてしまうのが怖くて、勉強に限らず、一歩踏み出すことが怖くなってた。
そのくせ、治療しかすることのない毎日が苦しくて、前に進めない自分が悔しくて、何も考えたくなかった。
それを桐山先生と頑張る時間が溶かしてくれるような。
“0と1って、だいぶ違うやん？”
しょっぴーがこの話を持ってきてくれた時、桐山くんが俺にかけてくれたその言葉。
その言葉に、スッと心が軽くなったような気がした。
桐山「なぁ、北斗ー？」
黒「んー？」
桐山「いつでも、頼ってや？」
黒「え？」
桐山「俺なぁ…一人ひとりに合わせた教育ができるんが、院内学級のええとこやと思てんねん。もちろん、そうせざるを得ないからってのはあるけど…普通の学校で、できひんことが、ここならできる。固定観念ってもんが、ないねん。せやから…ダメ元でもいいし、頼ってや？俺は、北斗の体は治せんけど…それ以外は、なんだってできる」
桐山先生の大きな手。
俺の胸でゆっくり動くその手に、すごく安心した。
もう一度、治療も勉強も頑張ろうって…焦らず、抱えず、前を向ける…そんな気がした。
-Fin-
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かん。(プロフ) - 真奈、さん» 申請いただきありがとうございます。リクエストに関しては全て対応をしている認識です。ご確認をいただけますと幸いです。作品を好きになっていただき、ありがとうございます☺︎今後とも、よろしくお願いいたします！ (12月1日 11時) (
レス) id: 6c35b9b8a4 (このIDを非表示/違反報告)
真奈、(プロフ) - ご連絡ありがとうございますPrivatterでのフォロワーのみだったんですね…。逆に今からフォロしても承認されれば読むことは可能ですか？ 勝手ながら、早速フォローさせてもらいました。確認いただけると助かります、 (11月30日 23時) (レス) id: 300884fa2c (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - 真奈、さん» なお、本編については全てPrivatterでフォロワー限定公開をしており、他の方もそちらでお楽しみいただいております。わざわざ、このために新たなアカウントを作成いただいた方も多数おられる中の個別対応は公平ではないと思いますので、ご理解いただけますと幸いです。 (11月30日 7時) (レス) id: 6c35b9b8a4 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - 真奈、さん» コメントありがとうございます。本編に関しては皆さま統一のルールのもとパスワードは一切公開しないことをお伝えさせていただいておりますので、個別であってもパスワードはお伝えいたしかねます。申し訳ありません。 (11月30日 7時) (レス) id: 6c35b9b8a4 (このIDを非表示/違反報告)
真奈、(プロフ) - いつも楽しみに読んでます。本編をまた最初から読みたくなってしまいました。こちらに書くのは大変申し訳ないのですが…。もしよろしければパスワードをメッセージ等でいただけると嬉しいです。ご検討お願いします。 (11月30日 0時) (レス) id: 300884fa2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2023年8月20日 22時
