誰のせいでもないし、誰にもどうしようも。3 ページ31
【佐久間】
北斗が痙攣起こして、髄膜炎の診断を受けた。
初めこそ、入院の理由は髄膜炎ではなくて、ちょっと無理しすぎちゃってダウンして、心臓にも負担がかかって…なんて状態だったけど、免疫が下がってたんだろう。
髄膜炎の診断受けたって聞いた時は、俺も冷や汗止まんなくて、予想もしてなかったことに焦っちゃったくらい。
佐久間「大変なことで」
黒「ふふっ。…人ごとだと思ってぇ」
佐久間「ちょっ…そんなわけないでしょ？」
黒「ん…へへっ、そだね…今のは、さすがに、俺が…間違えたわ…っ」
佐久間「…まだ痛いねぇ。お薬、もうすぐ効いてくると思うんだけど…」
なかなか効いてこないね、なんて言う俺の言葉に、ポヤポヤとした口調のまま“まぁ、気長に闘うよ”なんて言う北斗は、今回の入院したての頃を思えば、少し変わっていた。
“頑張れると思ったんですもん…”
“先生は、なにも言ってませんけど？”
“言いたそうな目してますもん…”
“それは、なにか言われるような心当たりがあるってことだと思うけど？”
入院を告げられたあの日、宮舘先生に静かに詰められていた北斗は、ものすごい苦笑いを浮かべた後、どこか諦めたような顔をしていた。
受験勉強が、いま一番力を入れたい時だっていうのは、もちろん先生や俺たちだって分かってることだけど、こればっかりはどうしてもね。
そう思いながら、なるべくいつも通りを貫いて、これ以上北斗を焦らさないように、なんて思ってたけど…。
黒「佐久間くん」
佐久間「んー？なにー？」
黒「俺…焦ってた」
佐久間「…んだねぇ」
黒「嘘。ほんとは、まだ…めっちゃ、焦ってる」
佐久間「ふふっ。…ん、だろうね」
苦手な季節の変わり目。
これ以上はと観念して病院にもちゃんと通って、出された薬を大人しく飲んで、頑張りたい気持ちをグッと堪えてブレーキをかけても、思い通りにならない体。
挙句、そんな北斗の頑張りを嘲笑うように、下がらない熱はついに高熱の域に達して、問答無用で入院を言い渡された上に、髄膜炎まで…。
佐久間「ほーんと…不公平」
黒「だよね」
佐久間「人の3倍ぐらい生きなきゃ、割に合わないね」
頭に顔を歪めながら、それでも必死に俺の言葉に笑おうとする北斗の姿が、俺には苦しくて仕方なかった。
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かん。(プロフ) - 真奈、さん» 申請いただきありがとうございます。リクエストに関しては全て対応をしている認識です。ご確認をいただけますと幸いです。作品を好きになっていただき、ありがとうございます☺︎今後とも、よろしくお願いいたします！ (12月1日 11時) (
レス) id: 6c35b9b8a4 (このIDを非表示/違反報告)
真奈、(プロフ) - ご連絡ありがとうございますPrivatterでのフォロワーのみだったんですね…。逆に今からフォロしても承認されれば読むことは可能ですか？ 勝手ながら、早速フォローさせてもらいました。確認いただけると助かります、 (11月30日 23時) (レス) id: 300884fa2c (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - 真奈、さん» なお、本編については全てPrivatterでフォロワー限定公開をしており、他の方もそちらでお楽しみいただいております。わざわざ、このために新たなアカウントを作成いただいた方も多数おられる中の個別対応は公平ではないと思いますので、ご理解いただけますと幸いです。 (11月30日 7時) (レス) id: 6c35b9b8a4 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - 真奈、さん» コメントありがとうございます。本編に関しては皆さま統一のルールのもとパスワードは一切公開しないことをお伝えさせていただいておりますので、個別であってもパスワードはお伝えいたしかねます。申し訳ありません。 (11月30日 7時) (レス) id: 6c35b9b8a4 (このIDを非表示/違反報告)
真奈、(プロフ) - いつも楽しみに読んでます。本編をまた最初から読みたくなってしまいました。こちらに書くのは大変申し訳ないのですが…。もしよろしければパスワードをメッセージ等でいただけると嬉しいです。ご検討お願いします。 (11月30日 0時) (レス) id: 300884fa2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2023年8月20日 22時
