. ページ24
【北斗】
もうこれで何日目？と、佐久間くんからも、しょっぴーからも耳にタコができるほど…とまではいかなくても、結構聞いた。
佐久間くんは、ちょっと心配そうに聞いてきてるけど、しょっぴーは半分呆れた感じなんだと思う。
父さんも、日に日に送り出す前の言葉が、今日も？とかになってきてたし。
なにより、俺自身が一番わかってた。
宮舘「限界、突破しそうだと思ったのは？あぁ、ごめん。思った前提で聞いてるけど…まぁ、それなりに気づいてたよね？この状態だったんなら」
黒「…ん」
宮舘「で…いつから？」
黒「…あれ？って思ったのは…ここ、3日…くらい。ごはんが…喉、通んなくて…。でも、無理にでも…食べた。父さん、じゃなきゃ…病院、行かせないって」
渡辺「でも樹がそんだけ必死に食わせてて、なんで今ここで低血糖起こしてんだよ、お前は」
宮舘「ちょ、翔太…」
呆れ半分、もう半分は怒ってんのかなって感じのしょっぴーに、なんだか自分がものすごく情けない。
いい年したやつが、こんなコントロールすらもできないことが。
黒「…戻して、た」
少し離れたところで、佐久間くんの“あちゃぁ〜”なんて声が聞こえた気がした。
俺だって、そう思ってるよ。
けど…ちゃんと、Aの頑張りを…どうしても、この目で見届けたかった。
一番適合の可能性が高いのに、提供を検討してもらうための土俵にすら立つことができなかった、兄としての悔しさを…せめて、Aがもう一度生き抜こうとする姿を見届けることで、どうにか納得させたかった。
黒「ごめん、なさい…」
悪いのは自分だって、そんなの分かってる。
こんな状態になったのも、誰のせいでもなく、ただ自分のせいでしかない。
だから、謝ることくらいしか、できなかった。
渡辺「お前さ、それ…なにに対してのごめん？」
黒「えっ…」
渡辺「なにに謝ってんの？…俺らに謝ってんなら、いらねぇから、そんな謝罪」
宮舘「翔太！」
渡辺「うるせぇ、今北斗と話してる。黙ってて。…なぁ、北斗？…ちゃんと考えろ」
呆れてると思っていたしょっぴーの声は、今まで聞いたことないくらいにひどく冷静で、めちゃくちゃ怖かった。
恐る恐る顔を上げた先にいたしょっぴーは、予想もしてないくらいに、哀しそうな顔をしていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 428人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かん。(プロフ) - 真奈、さん» 申請いただきありがとうございます。リクエストに関しては全て対応をしている認識です。ご確認をいただけますと幸いです。作品を好きになっていただき、ありがとうございます☺︎今後とも、よろしくお願いいたします！ (12月1日 11時) (
レス) id: 6c35b9b8a4 (このIDを非表示/違反報告)
真奈、(プロフ) - ご連絡ありがとうございますPrivatterでのフォロワーのみだったんですね…。逆に今からフォロしても承認されれば読むことは可能ですか？ 勝手ながら、早速フォローさせてもらいました。確認いただけると助かります、 (11月30日 23時) (レス) id: 300884fa2c (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - 真奈、さん» なお、本編については全てPrivatterでフォロワー限定公開をしており、他の方もそちらでお楽しみいただいております。わざわざ、このために新たなアカウントを作成いただいた方も多数おられる中の個別対応は公平ではないと思いますので、ご理解いただけますと幸いです。 (11月30日 7時) (レス) id: 6c35b9b8a4 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - 真奈、さん» コメントありがとうございます。本編に関しては皆さま統一のルールのもとパスワードは一切公開しないことをお伝えさせていただいておりますので、個別であってもパスワードはお伝えいたしかねます。申し訳ありません。 (11月30日 7時) (レス) id: 6c35b9b8a4 (このIDを非表示/違反報告)
真奈、(プロフ) - いつも楽しみに読んでます。本編をまた最初から読みたくなってしまいました。こちらに書くのは大変申し訳ないのですが…。もしよろしければパスワードをメッセージ等でいただけると嬉しいです。ご検討お願いします。 (11月30日 0時) (レス) id: 300884fa2c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かん。
| 作成日時：2023年8月20日 22時
