59話 ページ9
部屋発表の翌日にはすぐに部屋替えで、これまでとは新しいチームにどんどん変わっていくってことを痛感して、気づけば夏休みなんてとっくに終わっていて。
そしたらもう、すぐに始まる秋季大会とめまぐるしく練習と試合を繰り返しながらも、野球部員であるそれ以前に、私たちはごく普通の高校生…。
「ほら、佐野！寝ないで！数原も！」
数日後に控えているのは、私も含めて思わず現実逃避をしたくなるメンバーが大多数を占めるテスト。
とはいえ、このテストで赤点なんて取ってしまおうものなら、補修だの再テストだのでいらない時間を取られることで部活の時間が削られ、寮監、監督からの大目玉。
いや、その前に先輩たちか…。
その先輩たちも、寮の一室に集まっては、自主練の時間が終わると同時に課題を目の前に広げて悲鳴を上げながら必死の表情だ。
片寄「てか坂本。お前、なんでそんなに普通に勉強できてんだよ。中等部ん時、別にそんな頭いい方じゃなかったやほ」
「いや、授業聞いてるし…。てか、頭いい方じゃなかったは、普通に悪口やからな？なぁ、ほんまお願いやからみんな寝ないで…」
佐野「あ〜…むり、これは無理だ」
普段野球ノートと向き合っている真剣なみんなはどこへ行ったのかという感じ。
ノートに向き合って文字を書き続けるその行為自体は普段と何も変わらないのに、なぜか勉強となるとそうはいかないこれは、もうテスト前恒例の光景になっている。
こんな光景も、もう3度目です。
亜嵐「お前ら、いい加減真面目にやれって。坂本困ってんだろ。ほら、スポクラだからってテストがないわけじゃねぇんだから」
佐野「はぁい…」
亜嵐「ほら、あと1時間〜」
テスト週間は少しだけいつもより早く終わる練習。
みんなにとっては、野球漬けになってた方が楽なのかもしれないけれど、そうも言ってられないのが現実で…。
「はい、明日からテストやから。早く寝てな？」
テストが終われば、地区大会が始まってくるから、万が一にも赤点なんて1人も取るわけにはいかなくて、部活のために必死になるしかない。
まして今回の地区大会は、言わずもがな春の選抜に繋がる大会だから、新チームの何がひとつ欠けるわけにはいかない。
負けたくないから。
まずは、テストやっつけてこうよ、みんな…。
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かん。(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます！2nd seasonもよろしくお願いします(^^) (2020年5月5日 13時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルス流行ってるので気を付けてくださいね (2020年5月5日 12時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2020年4月23日 22時
