96話 ページ46
「昨日、ほんまに楽しかったな…」
朝になって、お兄ちゃんが寮に迎えに来てくれた。
勇人兄ちゃんと、ちぃ兄ちゃんと3人揃って迎えにきて、学校の休学だとか色んな手続きして…そのまま、約束通りに病院へ連れてこられた。
2人が病院の手続きをして、看護師さんや先生たちと話している間、大きな窓の外に見えた青空を見ながら思い出すのは、昨日の夜のみんなとの会話。
本当に、楽しかった。
楽しすぎて、一生この時間が続けばいいのに…なんて、そんなことを思っていた。
三男「A、なんか欲しいもんある？」
「んー…あ、グローブ忘れて来てまった」
三男「は？どこでキャッチボールすんねん。…ま、わかった。また時間ある時に持ってきたるわ」
「…ありがと」
病院に着いて、今後の治療方針が先生から説明されて、聞いたことある話も、ちんぷんかんぷんな初めて聞くような難しい話も。
とりあえずいっぱい難しい話されてれば、もうお昼。
今日からすぐに詳しい検査や、抗がん剤治療に入る前の準備に取り掛かって、3日後から、まずは転移やこれ以上の拡大を防ぐための抗がん剤治療。
これだけで、ざっと3ヶ月はかかるらしい。
つまり、今年の夏の大会は絶望ということ。
勇人「月曜やし…おったるよ。1人じゃ、寂しいやろ」
「お兄ちゃんは？伊丹帰るって？」
勇人「いや、今日はこっち泊まるって」
「勇人兄ちゃん…？あのさ…。脚、なくなっても…マネージャー続ける。みんなの相手するし…ダンスも、やる…。それ、目標に…する」
抗がん剤治療のあと、左足の切断手術をするらしい。
この手術を受けたら私は、左の膝の少し上からを一切失うことになる。
それからは、義足をつけることになるらしい。
これは想像がついていて、だからもうダンスもできなければ、Jr.にも戻れないって思っていた。
そんな私に光をくれたのは、やっぱり先生だった。
Dr.「義足でも、ダンスができるようにします。諦めないで、一緒に…復帰、叶えよう」
そう言ってくれて、実際にそういう人もいることを教えてくれた。
まだ頑張れる気もしなかったし、左足を失うことはまだ全然受け入れられずにいる。
でも、そうするしかないのなら…そうできている人がいるのなら…私にもできるんだろうかって、そう思っていた。
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かん。(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます！2nd seasonもよろしくお願いします(^^) (2020年5月5日 13時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルス流行ってるので気を付けてくださいね (2020年5月5日 12時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2020年4月23日 22時
