90話 ページ40
Dr.「Aちゃん、残念だけど…。先生も悔しいけど…今年の夏は…」
先生も苦しそうだった。すごく苦しそうな顔をして、先生はその先を言わなかった。
先生は、癌になって、一度は進路が白紙になって絶望をしていた私が、なんとか目標を見つけて新しい進路を決めた時に、めちゃくちゃ喜んでくれた。
もしかすると、誰よりも喜んでくれていたのは、先生だったのかもしれない。
病気でJr.の活動を休止しなきゃいけなくなった時に、治療に専念するんだと決めた時、ごめんね…ってすごく謝ってくれた。
私が病気になったのも、Jr.の活動を休止せざるを得なかったのも、決して先生のせいじゃないのに…。
でもそんな先生からは、厳しくも、これから私が向き合わなくてはいけない現実が言い渡された。
Dr.「これが、右足の画像。それとこっちが、左足。もうわかってるかもしれないけど、ここが腫瘍。……足、痛かったでしょう？」
「っ…」
Dr.「たぶん、少しばかり…自覚症状は、出てたと思うんだ」
先生の言う通りだった。
冬の間から少しずつ気づいていた左足の違和感。
時々痛んで、足を引くことしかできなかったそれに、嫌な予感がしなかったわけではないけど、きっと手術痕の痛みだろう、なんて自分を納得させて。
2月、検診でも特に異常は見つからなかったから、その思い込みの通りなんだろうって、安心してた。
少しずつ暖かくなってきて、練習もハードになってきて、動くことが増えた時、急にまた感じることが多くなった少しの痛み。
3月、また検診では、なにも言われなかった。
だから…気のせいだと、練習がハードになってきて、私も動くことが増えたからだと、その違和感を先生に伝えることもなく、目を背けたのは、他でもない私だった。
でも4月の検診では、きっと腫瘍も隠れきれなくて、血液の数値に異常が現れて、即日再検査になった。
その再検査の結果が、これだ…。
もうすぐGWを迎えそうな季節になってた。
1年生も入ってきて、春大に向けて必死なみんなを、これからも疑うことなく支えていけると思ってた。
なのに…。
私が目を背けたから…。
私が、逃げたから…。
Dr.「ごめんね…早く見つけてあげられなくて…」
そのあと、先生から突きつけられたのは、予想もしていない言葉だった。
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かん。(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます！2nd seasonもよろしくお願いします(^^) (2020年5月5日 13時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルス流行ってるので気を付けてくださいね (2020年5月5日 12時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2020年4月23日 22時
