87話 ページ37
【佐野】
佐野「なにしてんの、そんなところで机と睨めっこなんかして」
「あ、佐野…お疲れ様〜…」
佐野「どしたの。元気ないじゃん」
「なんだろう。ものすごくザックリと、私は数ヶ月後からやっていける気がしないんだけど…」
佐野「…なんだそれ、意味わからん」
3月の中旬、卒業式を終えたやつらから続々と、入学式よりも少し早めに、部活動だけでも参加をするため、新入生が仮入部してくる。
もちろん入部と同時に上京組は寮にも入ることになるし、
その入寮の時、Aはきっと監督や亜嵐さんたちと新入生の対応するから、色々話聞いてんだろうって感じ。
でもこの子、見かけによらずというか、アイドルしてたのにかなりの人見知りっていうね。
俺はそんなAが面白いから、いじり倒す。
佐野「ま、Aならいけるっしょ。なんとかなるって」
「いけないよ！あんたたちに慣れるのにどんだけ…」
佐野「いや、全く時間かかってなくね？すごい勢いで慣れてたと思うよ、俺らには」
「うん、かかってない…。いや、まぁそれは…同い年やからかな」
確かにAの言う通り、俺ら同期にはさすがにそんなに人見知りしてなくても、先輩たちへの人見知りはすごかったような記憶がある。
マジで思い出す。
ゴボウみたいに細っこくてちっこいAが、ど緊張で噛み噛みの自己紹介してたこと。
…なんてこと言ったら絶対怒られるから、口が裂けても今このナーバスな状況のAを前に言えたことではない。
片寄「でもA、もう新入生ほとんど名前は覚えてるんやろ？まだ会ってもないのに、それって普通にすごいと思うけどな」
「名前だけはね。でも顔わかんないから意味ない。あ、片寄たちの部屋に入る子。今怪我してるみたいだからよく見てあげてな」
片寄「さすが。名前だけやなくて、情報まで頭に入れてるやん。3ヶ月後には姉さんって呼ばれてそうやな」
「うぅ〜、絶対バカにしとる！楽しんでるやん！」
キャンキャン吠えながらも、やるしかないかー！なんて、開き直ってんだかナーバスなんだからよく分かんないAを見て笑って。
3人で、あー、さびぃ〜！なんて言いながら、グラコンのポケットに手ぇ突っ込む寮までの道。
あったかくなるまで、もう少しこんな日が続くって、そう思ってたのに。
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かん。(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます！2nd seasonもよろしくお願いします(^^) (2020年5月5日 13時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルス流行ってるので気を付けてくださいね (2020年5月5日 12時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2020年4月23日 22時
