84話 ページ34
【亜嵐】
あと数ヶ月もすれば、季節は冬から春を迎え、まあ今年も新入生が入ってくる。
シニア、ボーイズ、内部進学に軟式組。
色んな経緯で、これまで積み上げた世界から気持ちを新たに、それぞれに何かを目指してこの部を選んで、期待を胸に入ってくるやつらがいる。
年内に進学を決めてくれた新入部員のリストを見ながら、ワクワクも、ドキドキもしていた。
大樹「目玉はいましたか？キャプテン」
亜嵐「ウザい、近い…邪魔だって、離れろ熱い」
大樹「悪口のオンパレードやめてくれない？そりゃぁ俺だって気になるでしょうよ」
2年前の春。
俺らがここに入ってきた時も、先輩たちはこんな感じだったんだろうか。
正直、ボーイズ界隈ではそれなりに名の知れた2人だったことも自覚をしていた俺ら。
お互いありがたいことに、地元のいわゆる強豪の高校からも、それにいくつかの名門校からも誘いは来ていたけど、迷った末に2人で共に甲子園に行くことを目指しここを選んだ。
亜嵐「ここを選んで入ったことを、間違ったって思わなきゃいい。誰ひとり、ここを選んだことを後悔しない…後悔せずに、胸張って3年間過ごせる、そういう部にしたい」
大樹「あら？なんか言うことがキャプテンらしい。めちゃくちゃ珍しいじゃん」
亜嵐「って…俺がこの部に入るときに言われたんだ、監督に。だから思いっきり、好きなだけ野球に熱中してほしいって」
大樹「なんだ」
正直俺は、今市さんみたいに背中で語れるタイプでもないし、大樹みたいに周りに気を遣えたり、面倒見が良いわけでもない。
野球の技術は、これまでの練習も相まって、少しだけ自信は持てるようになったけど、自分ではこれといって光るものがあるとも思わない。
だから本当は、こんな大所帯で、名門背負ったキャプテンなんて立場は向いてないのかもしれない。
亜嵐「でも、キャプテンなんだよな…」
自信がなくても、肩書きはある。
引き受けた以上、それこそ後悔を残すようなことはしたくなくて、がむしゃらに、やってみるしかない。
もうすぐ頼りにしていた先輩たちも卒業だ。
今のうちに、今のうちにそんな先輩たちの背中を焼き付けて、でも、背中を追い求めすぎず、俺なりのキャプテン像を作りたかった。
なんて真剣な顔をしてたら、大樹が爆笑してた。
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かん。(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます！2nd seasonもよろしくお願いします(^^) (2020年5月5日 13時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルス流行ってるので気を付けてくださいね (2020年5月5日 12時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2020年4月23日 22時
