79話 ページ29
阿部「で、俺に電話してきたわけね〜」
「ごめんなさい。私の方から連絡絶ってたのに…」
阿部「んー？忙しかったんでしょ？連絡とる暇もないくらいに。ちゃんと検索してるんだよ、Aの学校のこと…みんなで」
心配する兄ちゃんたちの言葉を避けるように逃げた夜、部屋にこもって一人になると、どうしても色々考えて眠れなくなってしまって。
舞台に生放送に、先輩のバック…彼らが忙しい時期だってのは重々わかっていたけど、どうしても話したくなったのは、小さい頃から何度も頼りにしてきた阿部くん。
少し前まで、阿部くんは受験のためにJr.の活動を休止していて、最近になって、わたしと入れ替わりくらいに活動に復帰をしていたはずだ。
私がちょうど上京したくらいに、東京Jr.として入所してきたから、年は少し離れるけどよく一緒にいた、優しいお兄ちゃんみたいな存在。
「今日さ…。たまたま、少クラが流れててね…」
阿部「あぁ〜、クリスマスのか…。そういうことね。…だいぶ差が広まってたでしょ、色々…」
「それ見て…なんか、色々考えてまった」
阿部「まぁ、わからないでもないかな…」
「なぁ…。阿部くんは…辞めない？」
察しのいい阿部くんは、きっとそれだけで私が含ませたいろんなものを全てを理解している。
私の今考えていることも、多分、慎たちからも話を聞いてるんだろう。
しばらくの沈黙があってから、ゆっくりと言葉を紡ぐ阿部くんの優しさを、痛いほどに感じていた。
阿部「俺も一時期同じようにしてたけどさ。…A、別に辞めたわけじゃないんだから。Aはこっちのことを無理に忘れようとしなくていいし、辛かったら目を背けたっていい。…Aは、Aの信じたいものを信じたらいいよ、今は」
“Aが今いる世界で頑張ってるのは、俺も、みんなも十分わかってるから”
そう言った阿部くんは、あまりに言葉を返すことのできない私に、また泣いてるの？って笑いながら確認してくる。
泣いてるよ、泣いてる。
だって、まだほとんど伝えたいことは伝えられていないのに、それでも全部わかってくれてるんだもん。
全部を分かって、それでいて、優しく背中を押してくれるんだもん…。
ドームには行けないけど、たまにはみんなには連絡してみてもいいのかな…。
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かん。(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます！2nd seasonもよろしくお願いします(^^) (2020年5月5日 13時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルス流行ってるので気を付けてくださいね (2020年5月5日 12時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2020年4月23日 22時
