53話 ページ3
【慎太郎】
Aと離れてはじめての、Aの誕生日。
俺たちは、あえてAに連絡を取らなかった。
Aが歳をひとつ重ねることの必死さを痛感したからこそ、もちろん盛大に祝いたい気持ちはあった。
いつもだったら、仲良いやつらで誰が一番に祝うことができるか、そんなことを争うようにして、絶対に0時に祝ってたんだけど…それでも。
青「AはAで頑張ってるから。最近連絡少なくなってんのは、多分そういうことだろ？…だったらさ、俺らもむやみに連絡取るのはやめよう。連絡が全てじゃない。それでも見せられることに、もっと必死になる」
黒「お互いを思ってるからこそ、今はお互いの環境を大事にしよう。それで、絶対にAか帰ってくる場所は、俺たちで守り続けよう」
俺やジェシーは最後まで、Aとの連絡を断つのを嫌だと思っていた。
けど、決め手になったのはA本人からの一通のメールだった。
樹や北斗の言っていたことはその通りだったみたいで、まるでAとそれをやりとりしてたんじゃないかって思うほど、2人の言ったままだった。
“私もがんばる。慎も慎でがんばれ。離れてても”
普段は絵文字でいっぱいの、カラフルなAからのメール。
だからこそ、この色のない文字だけのメールに、Aの本気の覚悟を見た気がした。
だから、寂しいけど、俺たちも本気で覚悟を決めた。
連絡が減ったからって、何か関係が薄れるわけでもなければ、まして俺たちの関係が終わるわけでもない。
極端だなとは思うけど…Aが“普通の女子高生”として3年間を生きるってのは、そういうことだったんだろう。
緑「けど、寂しいもんは寂しいんだよ…」
黒「なに？独り言？」
緑「うん、そう思っといて…」
最近は、今まで以上にあのドラマのメンバーで一緒にいることが多くて、本来ならここにAもいたんだろうって思うだけで、やっぱり寂しい。
せめてものお祝いとして、6月生まれのメンバーをお祝いしたとき、チョコレートには、去年先輩たちに祝ってもらった時と同じようにAの名前も書いてもらった。
離れるからって、繋がりを断つわけじゃない。
何年経っても、Aは絶対に戻ってくる。
口には出さないけど、きっとみんな同じことは思ってるんだと思う。
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かん。(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます！2nd seasonもよろしくお願いします(^^) (2020年5月5日 13時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルス流行ってるので気を付けてくださいね (2020年5月5日 12時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2020年4月23日 22時
