69話 ページ19
【樹】
緑「返信、来なかったわ」
青「ん？なに、Aに連絡してたの？」
緑「うん…ちょっと、話したいことあったから」
青「あ〜…でも、そういえば今月は俺も連絡来てない。そろそろ検診の日のはずなんだけどな」
同じ学校に通ってるけど、冬休みに入ってしまえば千葉に住む俺と、横浜に住む慎太郎とでは、仕事以外に顔を合わせるとなれば、わざわざ会うしかないわけで。
別にわざわざ、とはしない俺たちだから実は慎太郎とも久しぶりに会うのが今日だった。
最近は少クラ以外に仕事で会うこともなくて、たまにあるレッスンで顔を合わせるくらいだったし。
6人で仕事するようになって、そこからは相当順調そうに思っていたんだけど、映画が終わってからは、俺たちもだんだん仕事が少なくなっていた。
気づけば、俺たち6人は2人と4人でバラバラなのが当たり前だし、仕事だって数える程度。
今は、かろうじてドラマが一本。
でもわかってる、これはバーターだ。
俺に、俺個人に与えられている仕事じゃない…。
緑「また、俺ら…元に戻っちゃうのかな…」
青「どうかな」
緑「もう…いいかな……って」
仕事がなくなる。
周りのメンバーが変わる。
いつもいたやつが、先に行く。
そんなこと、慣れてる。
慣れてるつもりだった。
青「なんかさ、俺…お前らといるの、すっげぇ楽しいって思ってたんだよね。楽しいというか、落ち着くっていうかさ…」
緑「うん…」
青「あいついたら、もっと楽しかったかな…」
緑「どうかな…」
“あいつ”
もちろん、Aのこと。
正直、彼女の様子を直接ではなく弟からの情報や、自分じゃないところから聞くたびに、もう帰ってこないんじゃないかと思ってしまう自分もどこかにいる。
あれだけ小さい頃から一緒にいたけど、Jr.を離れたらそれまでの関係のメンバーも多い。
もちろん、Aがこうすることを決めた時から、彼女だけはそうじゃないと、必ずここに戻ってくるんだと信じていたけど、それでも不安だった。
仕事がなければ、会うこともずいぶんと減る。
青「もし、あいつが帰ってきた時…俺らいなかったらなんて思うのかな」
緑「さぁ…」
思春期の俺たちにとって今の状況は、正直しんどすぎた。
もっと素直になれたら、楽なんだろうけど…。
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かん。(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます！2nd seasonもよろしくお願いします(^^) (2020年5月5日 13時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルス流行ってるので気を付けてくださいね (2020年5月5日 12時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2020年4月23日 22時
