68話 ページ18
地獄だと宣言をされていた、ちょっぴり恐怖の冬合宿がはじまった。
結局、あのまま見なかったフリをして、返すことのできなかったメール。
あの後すぐに私たちも冬休みに入り、また野球漬けのみんなと一緒だから、彼らの情報はほぼシャットアウトされたも同然。
こちらからわざわざ取りに行かなければ、なにか新しい情報が入ってくることなんてなくて、あのあと彼らがどうなったのかなんて、分からない。
でも、信じてる…いや、信じたいだけ。
「きっと…大丈夫」
佐野「ん？なんか言った？」
「なんもない。ほら、早く食べて」
佐野「え、なんか気になる。なんか変」
「なんもないってば。早くしないと、先輩たち練習行っちゃうよ？」
毎日明け方から夜まで…といっても私はただひたすらに、地獄を耐え抜く彼らが全力を出し切れるように、サポートに徹するんだけど。
すでに普段の半日分くらいを朝っぱらから動き続けた選手のみんながモリモリと食事をするのを横目に、私も食事をとる。
いつの間にかご飯の席は佐野が隣に定着していた。
佐野「さーて、いきますかぁ〜」
「ちょ、力抜けるから辞めて」
片寄「わかる、なんか佐野の声って抜けてんだよな」
食事は楽しく、それが寮生のモットーだから、いつもご飯の時間だけはみんなの緊張も少し緩む。
合宿中は、寮生以外もいるから食事だけでなく部屋に帰ってからも、いつも以上に賑やかだし、普段とはまた違った部活の雰囲気に、またこのチームを好きになる。
でも練習に入ればみんなの表情は一気に変わって、歯を食いしばっては、苦しいメニューに耐えて力に変えていく選手たち。
朝食を終えたら、それからは実践的な練習に入っていくこともあって、私のやるべきことだってたくさんで。
どうか誰も怪我をしませんように、それだけは毎日思い続けている。
よそごとを考えている暇なんてないんだと、そう言い聞かせて見ないフリをしていることくらい、私だって自覚していた。
「わたし、捕食作ってきますね」
佐藤「おう、頼むな！」
初日はハードすぎる練習メニューの中で、自分がどうしたらいいのかもわからなかったけれど、3日目ともなれば、そんな時間にも徐々に慣れてくる。
まるでJr.時代のレッスンの要領を覚えた時のようで、ちょっと懐かしかった。
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かん。(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます！2nd seasonもよろしくお願いします(^^) (2020年5月5日 13時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルス流行ってるので気を付けてくださいね (2020年5月5日 12時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2020年4月23日 22時
