64話 ページ14
【大我】
桃「樹だけ連絡くるの、ズルい」
青「と、申されましてもよ」
桃「俺も心配してるよって言っておいてよ」
転校して樹と同い年になってから、体育の授業をサボって樹と2人の屋上で過ごす1時間は、ここ最近のむしゃくしゃした俺たちの恒例になっていた。
月に一度のAの通院日前後に、樹のところへだけ彼女から連絡が来ることは、Jr.の仲いいメンバーたちの中では周知のことだった。
基本的には、検査の結果の報告だけ。
それと、時々少しだけあいつの近況報告があるらしくて、樹はそれを嬉しそうに俺たちにも報告してくれていて、離れていても、連絡の頻度が低くなっても、変わらずAのことを大切に思っている。
青「今月はちょっと近況報告あったよ。なんかもうすぐ、冬合宿があるんだって。それが結構しんどいって先輩たちから聞いてるから、ビビってるらしい」
桃「ふふっ。なんか、合宿とか、部活とかそういうの、青春っぽいね」
青「どうだろう？」
今のジャニーズJr.は、正直いってうまくいっているとは言えなくて、俺たちを取り巻く環境も、ガラッと大きく変わったり、なんとも言えない時間が続いていた。
これまでも何度かこういう時期はあったけれど、その度に俺たちが乗り越えられたのは、先輩たちや…他でもない、Aが中心にいたからで。
Aがいなくなってからの俺たちは、少し会話も減ってしまったように感じていたんだ。
桃「俺たちが引っ張るって、トップに立ってやるって…口ではそんなことばっかいってるじゃん。でも…結局んところ、どうしたらいいんだろうね。難しい」
青「…任されるって、怖えよな」
桃「ここにAがいたらどうなるのかなって、毎日思ってんだよね。みんなになんて言葉かけてんのかなって。誰かいなくなるたびに、力不足を感じる…」
ジャニーズJr.は流動的な世界だ。
ついこの間までステージのメインで輝いてたやつが、明日にはレッスンに来なくなってることだってザラじゃない。
そんなことを、俺自身も何度も経験をしてきた。
明日は我が身…というか、隣にいる奴がいなくなることだってあり得る。
俺たちがいるのは、そういう世界。
青「ほんと、難しいわ…」
俺だって、“あまりもの”の立場で、正直言えばそこそこ揺れているんだ…。
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かん。(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます！2nd seasonもよろしくお願いします(^^) (2020年5月5日 13時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルス流行ってるので気を付けてくださいね (2020年5月5日 12時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2020年4月23日 22時
