62話 ページ12
【大樹】
「亜嵐さん、なんか最近ちょっと変わりましたよね」
大樹「さすがA。お前は本当に部員のことをよく見てんね」
「いや、まぁ…なんとなくですけどね？」
キャプテンである亜嵐は、秋大に負けてから確かに表情が変わった。
切り替えてスッキリしたかと思えば、また苦しそうにチームを見て、思うような結果が出ずに、またしんどそうに、キャプテンという重圧と、過去の実績に囚われ続けては、いつ逃げ出すかと脆く危ういキャプテンだった亜嵐。
そんな亜嵐だったけど、坂本の言うとおり、ここ最近は少しずつ変わったような気がしていて、周りのメンバーにもよく声をかけるようになったし、後輩の寮生活にも気を配るようになった。
いい変化。
とってもいい変化だ。
亜嵐「…なんだよ、そんなにこっち見んな」
大樹「いや？お前が変わったなぁって。Aが言うんだから、間違いないよ。いや〜…マジで、冬練の前にキャプテンがキャプテンらしくなってきて良かったわ。あのままのお前だったら冬練なんてやってらんねぇよ」
「冬練って、そんなに厳しいんですか…？」
大樹「厳しいけど、辛いけど…必要。俺たちが、一歩も二歩も前に進んで、先輩たちみたいに、強いチームになるためには、絶対必要な期間」
亜嵐「と、思ってないとやっていけない」
うちの学校の伝統の冬練。
正直、しんどいとかいうレベルは超えている。
期末テスト後、年末までの2週間半全てが練習に費やされる、いわば学内合宿のようなもの。
その期間だけは、通い組も含め、全員が寮で寝泊りをすることになる。
亜嵐「伝統だからな。しんどいけど、ちょっとワクワクした気持ちあるやつもいると思う」
大樹「冬を超えたら、もっとチームになる。Aも、きっと今以上に成長できる」
そう言えば、ケラケラと笑いながら、それに備えて期末テストがんばろ〜なんて走っていくA。
葉月さんが引退して1人になってからも、毎日泣き言も言わずに部活を続けるAには、素直に感謝しかなくて。
こいつのためにも、頑張っていかなきゃいけない。
亜嵐「なぁ大樹、俺、もう一回甲子園いきてぇわ。…このメンバーと、あと次入ってくる1年と」
大樹「うん」
亜嵐「…それだけ？」
それだけだよ。それだけで伝わるだろ、お前には。
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かん。(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます！2nd seasonもよろしくお願いします(^^) (2020年5月5日 13時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルス流行ってるので気を付けてくださいね (2020年5月5日 12時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2020年4月23日 22時
