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【風磨】
菊池「おっ、来たじゃん」
青「あっ、昨日ぶり〜」
緑「えっ！Aちゃんじゃん！なんで！」
昨日の様子が随分と心配だったAちゃん。
�眞呂�2人なら大丈夫だろうって思ってはいたけど、普段ならどっかでバッタリ会ったとて一言くらいメッセージを交わす彼女が、俺の送ったメッセージに、既読もつけなかったのが気になっていた。
だから、なんとなく不安で、�眞呂冒�ったメッセージ。
樹と慎太郎と遊んでるよって。
普段ならそんなメッセージ送んないけど、わざわざそんなメッセージを送ってしまうくらいには、彼女のことが気になっていたらしい。
「昨日は…あり、がと。見つけてくれて…」
菊池「ハハッ。ん、よかったです。不良娘、保護できて」
「保護って…」
菊池「保護でしょ、あれは。ちゃんと、保護者にも引き渡せましたし」
黄「誰が保護者だ、バカ」
昨日のあれは、完全に保護だ。
苦しそうに思い詰めた顔して、二進も三進も行かなくなった挙句、お縄にかかってるはずの病院から逃げ出して、あんなところで1人。
いくら�眞呂暴�けを求めたとて、あまりに危う過ぎた、そんなAちゃん。
昨日から、ずっと頭から離れなかった。
それと同時に、気づいてしまった自分がいた。
“俺にしとけば？”
あん時に、ちゃんと気づいてりゃな…なんて。
菊池「…いい顔してんじゃん」
「えっ…？」
菊池「ちゃんと、顔が生きてる。…まじ、よかった」
「…ごめんね、昨日。あんなに迷惑かけたのに、なんの連絡もしなくて。ごめんなさい」
ほら、ね。
そういうところ。
申し訳なさそうに、ほっときゃいいそんなことにまで、そうやって謝るような、律儀なところ。
見た目、完全に礼儀もクソもないような感じだけど…きっと、無理して強がって、強く見せることで、自分守ってたんだろうなって…そんなところまでも。
「…ふーま？…おこ、てる？」
菊池「ハハッ！ごめん、全然怒ってないよ。ほんと、よかったって思った。嫌味じゃなく、ほんとに心配だったからさ。すげぇしんどそうだった、心が」
「…ん、しんどかった」
菊池「でも、今日はちゃんと生きた顔してる」
それが、誰の力かってのが分かるしかないからちょっとしんどいけど…。
でも…やっぱ、これが一番良かったのかな。
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作者名：かん。
| 作成日時：2023年6月12日 19時
