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【大我】
幼い頃から、夏休みと冬休みを仕事に費やす日々が続いていた。
来年には1年遅れで高校卒業して、進学もしないと決めた俺は季節なんて関係なく、100%を仕事に注げるようになる…はずだった。
でも…そんな気配、ない。
桃「なんかさ…皮肉だよね。わざわざ転校までしてさ…そうやって仕事に集中できるようにしたくせに…」
黄「んー？」
桃「同じタイミングで転校した北斗とは、こんな差だよ。北斗は…まだ来年も高校生だっつーの…」
黄「珍しいね」
桃「なにが」
黄「大我が、そんな風な人のこと言うの」
桃「あ…いや…」
ここのところ、�眞呂�変わった気がする。
なにがどう変わったとはハッキリ言い難いところがあるけど、感覚的に何かが違う。
まぁ…これまでより大人になった分、振付師さんに刃向かったり、怒られて反抗的な態度取ったりなんてことは当たり前になくなったわけだけど…下手くそなりに、ダンスだって本気でやってる感じ。
ふと気がつくとヘラッとしてたりもするけど…今までなら絶対にしなかったはずの自主練までするようになって。
桃「�眞呂海宗陳舛靴い犬磴鵝帖�
黄「…なにが？」
桃「なんか…目の色変えちゃってさ」
黄「ハハッ！そう？そんな感じに見られてんの？」
桃「うん。…なんか、変わった」
俺はいい意味で行ったつもりだったんだけど、言い方がそっけなかったのか、�眞呂肋�し心配そうに“やっぱこんな俺、微妙？”とか遠慮がちに聞いてくる。
別にどっちでもいいんじゃない？なんて思った通りを答えれば、満開の笑顔。
こんな簡単に笑う人だったっけ、とか思ったり。
黄「…やめてもいいよ」
桃「えっ…」
黄「やめてもいいよって言われたんだよ、Aに。…優ちゃんは、優ちゃんは十分、私の自慢の幼なじみだからって」
桃「…そ、か」
黄「俺さ、それ聞いて…なんて返したと思う？」
桃「…分かるわけなくない？」
黄「ヒャハハッ！それもそうだわ」
なにが面白いんだか、ヒャハヒャハと甲高く笑う�眞蓮�
ひとしきり笑い合えたかと思えば、静かに、ポツリと“舐めんな”って。
黄「舐めんな、って返してた。考えるより先に言葉が出てた。こんなんで満足してんなよって、恥ずかしくてさ…」
だからやるしかないんだと…�眞呂蓮▲�シャリと笑った。
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作者名：かん。
| 作成日時：2023年6月12日 19時
